検察が今月15~16日に朴槿恵(パク・クネ)大統領を直接調査する方針を明らかにして、憲政史上初めて行われる現職の大統領に対する調査方法に注目が集まっている。検察は大統領を検察庁に召喚せず、第3の場所で対面調査を行う方法に重点を置いているが、大統領府は書面調査を主張しており、議論が予想される。
検察は13日「調査方法はまだ決まっていないが、対面調査を原則としている」と明らかにした。しかし、大統領府関係者は同日、ハンギョレとの電話インタビューで「書面調査を望んでいる」と話した。朴槿恵大統領が今月4日、国民向け談話で、「検察の調査に誠実に臨む覚悟」だと明らかにしたが、依然として、検察の調査に負担を感じているものと見られる。
「チェ・スンシル疑惑」特別捜査本部があるソウル中央地検に大統領を召喚することは、法的には何の制約もない。しかし、警護や礼遇問題など現実的には障害が多い。2009年故盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領を最高検察庁に召喚した際にも、前職大統領であるにもかかわらず、警護が大きな問題になった。当時の状況をよく知る検察関係者は「大統領の召喚は、検察が警護に対する負担を負うため、相対的に捜査に集中できる力が分散される」と話した。検察に召喚されて取り調べを受けた現職の大統領がこれまで一人もいないという点も負担になっている。
このため、検察が訪問調査を選択する可能性が高いと見られている。問題は、調査を行う場所である。場所の選択に失敗した場合、ただでさえ捜査の着手が遅れて不信感を招いた検察を批判する世論が、さらに悪化する可能性もある。検察内外では大統領府ではない「第3の場所」で調査する案が有力視されている。
BBK特別検事チームは、2008年2月当時、李明博(イ・ミョンバク)大統領当選者を「第3の場所」のソウル城北区三清閣(サムチョンガク)で3時間にわたって調査した際、テールスープを食べるのに1時間も費やすなど、消極的な調査態度で激しい非難を買った。2010年の民間人査察捜査の時は、チェ・ジョンソク元大統領府雇用労使秘書官室行政官をホテルで調査して、「手抜き捜査」という指摘を受けた。このため、朴大統領に対する訪問調査は、引継ぎ委員会があったソウル鍾路区(チョンノグ)の韓国金融研修院など公共機関で行われるとの分析もある。
検察内部では、むしろ検察が大統領府を訪れ、大統領を直接調査するのがより効果的という意見もある。警護などに対する負担を負う必要が全くないからだ。この場合、大統領府の中で、検察がどこまで積極的に大統領を調査できるかがカギとなる。
大統領府が今月15日頃、調査日程に対する立場を確定できるとの考えを明らかにしており、朴大統領に対する調査は16日頃に行われるものとみられる。大統領府が依然として「書面調査」を希望している中、検察がどの程度積極的な調査をするかが注目される。ソウル地方弁護士会のキム・ハンギュ会長は「どのような方法で調査するかが、検察捜査の公正性を判断する基準になるだろう」と話した。