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ピケティ教授「テロの原因は経済的不平等」

登録:2015-12-01 22:51 修正:2015-12-02 06:12
トマ・ピケティ パリ経済大教授=資料写真//ハンギョレ新聞社

 『21世紀の資本』で所得不平等問題を世界的に公論化したフランスの経済学者トマ・ピケティ(44)が、中東発テロの原因は「経済的不平等のため」と主張した。

 ピケティ・パリ経済大教授は最近、フランスのルモンドに寄稿した文で「中東の一触即発の不平等状況がテロリズムを生んでいることが明らかだ」として、西側はこれに対する責任があると明らかにした。 彼は中東全体の政治・社会的体系が、面積と人口は小さいが石油資源が集中したいくつかの国家に過度に左右されている点を問題点として挙げた。

 ピケティ教授は「エジプト、イラン、そしてシリア、イラクを経てアラビア半島を見れば、いくつかの石油王国が中東全体の国内総生産(GDP)の60~70%を占めている。 これら石油王国の人口は中東全体の10%余に過ぎない。 中東は地球で最も不公平な地域になった」と指摘した。 彼は「石油王国内でも少数の人々が富を独占している。女性や移住労働者を含む多くの階層は、半奴隷状態に留まっている」として「この政権を軍事的・政治的に支持しているのは西側国家」と批判した。 彼は「西側国家はその代価としてサッカーチーム後援支援金を受け取ったり武器を売ったりしている」と話した。

 米紙ワシントンポストはピケティが石油王国を特定しはしなかったが、彼の以前の研究から見れば、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、クウェート、バーレーン、オマーンを指しているようだと推定した。同紙はピケティ教授が昨年発表した論文ですでに中東の所得不平等が世界最高水準と指摘したとも伝えた。ピケティは当時の論文で、2012年基準で中東の上位1%の所得が所得全体に占める比重が26.2%であり、所得不平等が深刻な米国の22.83%よりも高いと明らかにした。

 ピケティ教授はルモンドへの寄稿文を通じて、テロを防ぐためには「ヨーロッパは統合と働き口の創出を蘇らせなければならない」と主張した。「緊縮が民族主義的利己主義とアイデンティティの緊張をもたらした」として、ヨーロッパが緊縮政策から抜け出すことを促した。ピケティは寄稿文の最後に「社会的開発と公正性で憎悪を克服できる」と書いた。

チョ・キウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/719921.html 韓国語原文入力:2015-12-01 20:09
訳J.S(1095字)

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