日本の知識人が安倍晋三首相が戦後70周年をむかえて発表した「安倍談話」を徹底的に検証・批判する本を出版させた。
「村山談話を継承し発展させる会」は27日、東京・千代田区の参議院議員会館で記者会見を開き、「8月中旬に安倍談話が公開された後、この談話の問題点を指摘する本が必要だとする意見が出て、同会に所属する学者、弁護士、作家、元外交官が集まって談話の問題点を徹底的に分析し、村山談話の歴史的意味を再確認する本を出した」と明らかにした。
執筆には田中宏・一橋大名誉教授、高嶋伸欣・琉球大学名誉教授など18人が参加し、『検証安倍談話―戦後70年 村山談話の歴史的意義』というタイトルで明石書店から15日に出版された。 談話には村山談話の主人公である村山富市元首相との対談も載る。執筆者たちは11月5日にこの本の出版を記念する記念シンポジウムも開く予定だ。
安倍談話に対するこの本の基本認識は「過去の戦争の事実を正面から受け止め、戦争に対する反省と平和な未来に対する誓いを明らかにした文書として戦後最高の水準を誇る『村山談話』と比較すれば、大幅に劣る談話」ということだ。 鎌倉孝夫・埼玉大学名誉教授は巻頭で「談話は村山談話を継承するという認識の下、謝罪と反省を言いながらも、結局は戦後70年を最後にこれ以上謝罪はしないという認識を表わしている」と指摘した。
この日の記者会見に参加した田中宏名誉教授は、安倍談話の最大の問題は植民地支配に対する反省と謝罪が抜けた点だと指摘した。 彼は「安倍談話には『日露戦争は、植民地支配のもとにあった多くのアジアやアフリカの人々を勇気づけました』という言及が含まれている。 しかし日露戦争を通じて朝鮮は日本の植民地になった。 このような日本右派の典型的な論理を談話に盛り込み植民地支配問題に言及しないことが談話の最大の問題と見る」と指摘した。 高嶋名誉教授も「『日本の(日露戦争)勝利がアジアの人々に勇気を与えた』という安倍談話の歴史認識が今後日本の教科書に紹介されるならば、日本の中学生はこれに対してどう思うか。日本の子供たちがこのような水準の歴史認識を持つ自国の首相を軽べつするのではないか」と話した。