1987年の民主化以降、現行の小選挙区制で行われた歴代7回の総選挙の結果を分析した結果、選挙のたびに有効得票の半分ほどの1000万票以上の「死票」が発生したことが確認された。当選者の得票より落選者の得票が多かった場合も4回もあり、「小選挙区制+単純多数代表制」が結合した”勝者総取り”の現行選挙制度が有権者の意思を正しく反映していないと指摘された。
2012年の19代総選挙では、セヌリ党が嶺南(慶尚南道と慶尚北道)で54.7%の得票率で全体議席94.0%(67席のうち63席)を独占し、新政治民主連合(当時民主統合党)は、湖南(全羅南道と全羅北道)地域で53.1%の得票率で83.3%に相当する28席を占めるなど、有権者の政党支持率と議席占有率が大きく異なる現象が繰り返されている。
少数政党が躍進した2004年の第17代総選挙の結果をもとに、選挙区の1議席当たり平均投票数を分析した結果によると、勝者総取り選挙制度の不公正な面が明確に表れている。 17代総選挙当時、多数党を占めていた「開かれたウリ党」の場合、選挙区の国会議員当選者の一人が得た平均得票数は6万9493票だったが、民主労働党はこの数値が平均46万115票に達した。民主労働党の7票の価値とウリ党の1票の価値が同じように取り扱われたわけだ。
政治学界はもちろん、新政治民主連合や正義党の野党から、ドイツ式政党名簿比例代表制、あるいはこれを組み合わせた圏域別比例代表制を導入しようと主張するのは、このような政党支持率と議席占有率の不一致を解消しようという趣旨だ。 17代総選挙から得票率と議席占有率の不一致の問題を一部解消するために、「政党名簿式1人2代表制」を導入したが、まだこの問題は、なかなか解消されていない。また、全体議席(300席)のうち選挙区議席(246席)の割合が82%で、比例性を十分に確保されていない。韓国と似たような選挙制度を持つ日本の場合、比例代表の割合(37.8%)が韓国より2倍以上高く、選挙区で発生した死票効果を和らげる役割を果たしている。
比例代表制フォーラムは「韓国のように1位のみが当選する制度を採用している国は、経済協力開発機構(OECD)諸国34カ国のうち、メキシコ、ハンガリー、日本、米国など7カ国に過ぎず、大部分は比例性が高い選挙制度を施行している」と比例性を高める方向の選挙制度改革を求めた。
韓国語原文入力:2015-08-02 19:49