「赤字になれば開催希望国なくなる」
組織委、国際連盟を粘り強く説得
既存施設の再利用許可を得る
競技場数を減らし敷地の提供を受け
人件費など付帯費用も大幅削減
光州(クァンジュ)ユニバーシアード大会の主競技場となった光州ワールドカップ競技場からカヌー競技が開かれる忠清北道の忠州(チュンジュ)タングム湖の国際カヌー競技場までは、自動車で3時間30分の距離だ。実際の距離は273キロメートルに達する。一方、2018年平昌(ピョンチャン)冬季五輪を誘致するため平昌誘致委員会が打ち出した公約は「すべての競技場を主競技場から30分の距離内に配置する」だった。国際オリンピック委員会(IOC)が昨年「持続可能なオリンピック」を明確にさせ、公約を変更できる余地が生まれたが、平昌組織委はこれを守った。種目別の国際連盟の施設基準要求にも積極的に対応できなかった。結果は、数千億ウォンに達する予算浪費となった。平昌からわずか50キロメートル離れた旌善(チョンソン)ハイワンリゾートでさえ、自動車で30分以上かかるという理由で除外され、普光(ポグァン)フェニックスパークに追加でスノーボード競技施設を作らねばならなかった。
14日終わった2015年光州夏季ユニバーシアード大会は、大型スポーツイベントを誘致しようとする地方自治体の模範事例になったと評価される。光州ユニバーシアード大会の総事業費は6172億ウォン(約660億円)。2012年5月に政府承認を受けた8171億ウォンから実に1999億ウォン(約213億円)も削減した。その秘訣は「競技場リサイクル」にあった。光州から1時間以上離れた順天(スンチョン)、求礼(クレ)、井邑(チョンウプ)、高敞(コチャン)、木浦(モクポ)、宝城(ポソン)、忠州(チュンジュ)などにある11の競技場を活用した。新築されたのは69競技場のうちプール、体操競技場、アーチェリー場の3競技場に過ぎなかった。キム・ユンソク光州ユニバーシアード組織委員会事務総長は「国際大学スポーツ連盟(FISU)は光州から3時間以上かかる忠州カヌー競技場は絶対だめだと言っていたが、安全や費用などから粘り強く説得し、結果的に受け入れられた」と語る。
光州ユニバーシアード組織委は国際大学スポーツ連盟と21の種目別に国際連盟と何度も崖っぷちの交渉を続けた。キム事務総長は「種目別に国際連盟が競技場に対し厳格に要求していたのが、観客席の規模と選手・審判待機室、義務ドーピング室などの機能空間だ。その基準に合わせるには20近い競技場を新たに建てなければならなかった。だが、様々な国際競技を訪ねてみると、予選競技から観客がぎっしり埋まる場合はほとんどない。このため入場券が売り切れれば簡易客席を準備すると訴えた。機能空間はモンゴルテントを張って競技場の外に別に作った。開催都市が財政的損害を被るようでは、開催しようとする都市がなくなり、結果的に各競技連盟が被害を受けることになると説得した」と打ち明ける。こうした形で5000席未満のハンドボール、バレーボール、バスケットボールの12競技場を使うことができた。
競技場数を大幅に減らしたことも功を奏した。組織委は当初76の競技場を使おうとしたが69に減らした。キム事務総長は「競技場を一つ減らすことで10億ウォン以上節約できる。競技場を運営するための人件費、賃貸料、物品および公共料金(電気・水道料金)等がかなりになるため」と説明する。代わりに競技日程を増やした。例えば水球種目は当初2カ所使おうとしたが、ヨンジュ室内プール1カ所で行うことにした。閉幕式の14日まで水球競技が続いたのはこのためだ。キム事務総長は「もちろん日程が遅れることに対する不便はあるが、訓練場を余分に用意するなど便宜を図った」と強調した。
組織委はハーフマラソンの区間を3分の1に縮め、道路整備に使われる費用52億ウォンを節約した。選手たちは短くなった区間を三回まわって競技をした。新築のプール、多目的体育館を南部大と光州女子大が提供する敷地に建設し、土地買い入れ費用を100億ウォン以上節約した。大学が体育館の運営主体になる。この他、花束の代わりにマスコットのヌリビ人形を使用、アジア競技大会で使った表彰台のリサイクル、メダル製作を造幣公社でない民間業者に任せて6億ウォンを削減するなど緊縮財政を窮めた。その他、国際スポーツイベントとは違ってマーケティング収益の100%を開催国の組織委が確保したのも交渉の結果だ。キム事務総長は「各企業の現物・現金協賛収入だけで1020億ウォンになる。この収入がすべて事業費に使われ、政府と地方自治体財政を最大限に節約できた」と説明した。
韓国語原文入力:2015-07-14 21:15