(朴正煕政権の)維新政権時代で最悪の“司法殺人”と言われる「人民革命党再建委事件」(第2次人民革命党事件)を導いた「第1次人民革命党事件」被害者が、50年ぶりに再審で無罪を確定された。
大法院(最高裁)3部(主審 クォン・スンイル大法院判事)は、第1次人民革命党事件の被害者である故ト・イェジョン氏、パク・ヒョンチェ氏など9人の再審で無罪を宣告した原審を確定したと31日明らかにした。 裁判所は「公訴事実に関して犯罪の証明がないと見て無罪を宣告した原審は、法理の誤解、罪証法則違反、判断脱落などの誤りがない」と明らかにした。
第1次人民革命党事件は、1964年に中央情報部(現、国家情報院)が北朝鮮の指令を受けて人民革命党という反政府組織を結成したとして、平和統一論を主張した革新系要人数十人を逮捕したことから始まった。 中央情報部は40人余を拘束し検察に送致したが、ソウル地検公安部の検事たちは「証拠が不充分でとうてい起訴できない」と抵抗した。 検察首脳部は検事らに起訴状に署名させ26人を無理に起訴し、担当検事らは辞表を出した。その後、検察が14人の公訴を取り消し、1審ではト氏ら2人だけに有罪が宣告されたが、控訴審では6人が懲役1~3年を宣告され、翌年9月に大法院で確定した。
中央情報部は維新が宣言された後の1974年、第1次人民革命党事件連座者が北朝鮮の指令を受けて人民革命党を再建し全国民主青年学生総連盟(民青学連)を操って国家を転覆しようとしたとし「人民革命党再建委事件」を発表する。20人余が裁判に付され、ト氏ら8人は大法院確定判決の翌日に死刑に処された。 人民革命党再建委事件の被害者遺族たちは再審を請求し2007~2008年に無罪を宣告された。
第1次人民革命党事件の被害者遺族たちも真実・和解のための過去事整理委員会の調査結果などに基づいて2011年に再審を請求した。 ソウル高裁は2013年にト氏らが不法監禁され拷問を受けた事実を認め、犯罪の証明もないとし無罪を宣告した。