放送通信審議委員会(放審委)が同性愛を素材にした総合編成チャネル(訳注:地上波局に準ずる大手紙系ケーブルテレビ)のドラマに重い懲戒決定を下し問題になっている。
放審委はは23日の全体会議で、女子高生どうしのキスシーンを放映した同チャンネル、JTBC(中央日報系)のドラマ『ソンアム女子高探偵団』(2月24日、3月4日放映)が放送審議規定を違反したとし、重い懲戒処分である「警告」を議決した。9人の委員のうち6人が警告、2人が「注意」、1人が「勧告」意見を出した結果だ。放審委は同番組が審議規定にある「品位維持」(第27条)と「子供・青少年の情緒育成」(第43条)に違反したと判断した。
野党推薦の審査委員チャン・ナギン議員、パク・シンソ議員、ユン・フンヨル議員の3人は、2013年の地上波のSBSドラマ『相続者』やケーブル放送Mネットのドラマ『モンスター』で異性高校生の間のキスシーンを、それぞれ「勧告」レベルの制裁をした事例を挙げ、『ソンアム女子高探偵団』にも同様の制裁を科すべきだと主張した。同性愛かどうかより、青少年の愛を表現するレベルが適切かどうかを問うべきだと考えた。
しかし与党推薦審議委員の6人は、キスシーンに登場する2人が女子高生である点を問題視した。異性間のキスシーンと同性間のキスシーンは別に扱うべきだとする判断からだ。この過程で一部の審議委員は「同性愛は正しい価値観でない」(ハム・ギヨン)、「まだ私たちの社会では、同性愛は認められているが勧めはしないという点を考慮しなければならない」(ハ・ナムシン)、「青少年に対しどういう道が正しく、悪いかを示さなくてはならない」(チョ・ヨンギ)など、同性愛に対する否定的な認識を露骨に示した。
パク・ヒョジョン審議委員長は「肉食をする私がベジタリアンを理解するようには同性愛者に賛成できないけれど、理解する立場にある」としながらも、「同性愛は同性愛者の間のキスでなく、肩を抱いたり手を握るなど、より優雅な仕草で表現できるのに、行き過ぎた表現したという点に問題がある」と指摘した。
一方、言論改革市民連帯は前日に声明文を出し、「性的少数者は多数者とは違って精神的障害がある」(ハム・ギヨン審議委員)など、先月18日に開かれた小委員会で審議委員らがした発言を問題にし、「放審委の同性愛嫌悪は言論界が努力してきた少数者尊重、人権拡大の流れに真正面から反す」と批判した。
韓国語原文入力:2015-04-23 17:59