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李完九首相候補者が11日昼、国会で午前の人事聴聞会を終えて聴聞会場を出ようとしている。 イ・ジョンア記者 //ハンギョレ新聞社

　李完九(イ・ワング)首相候補者が土地投機、兵役忌避疑惑に加え、不適切な言論観が伺われる録音ファイルの公開などで窮地に追い込まれたが、セヌリ党は12日に予定された本会議で李候補者任命同意案を表決する方針を決めた。 新政治民主連合は李候補者の任命同意に反対する気流が強まり、与野党の正面衝突が不可避な情勢になった。

　最近、院内代表と党代表をそれぞれ新たに選出した与野党が、新任指導部体制の序盤から冷たい対立戦線を作るものと見られる。 万一、与党が首相候補者任命同意を単独で処理する場合、これは1994年のイ・ヨンドク首相以来21年ぶりの事態になる。

　金武星(キム・ムソン) セヌリ党代表はこの日記者らと会い「与野党が合意した議事日程どおりに進めなければならない」と話し、12日午後2時に予定された本会議で李候補者任命同意案を処理する方針を明らかにした。 ユ・スンミン院内代表もハンギョレとの通話で「12日に処理するほかはない」と話した。 セヌリ党幹部は「李候補者に問題点は多いが、アン・テヒ、ムン・チャングク候補者に続き3人目の首相候補者落馬事態は避けなければならない」と話した。別の党幹部は「時間をさらにかければ状況が一層悪化しかねない」とし「12日に処理しなければならない」と話した。 セヌリ党は議員を相手に党議拘束に入った。

　大統領府も早急な承認を要求した。 ミン・ギョンウク報道官はこの日記者たちに「承認手続きが早急かつ円満に進行されることを望むという既存の立場に変わりはない」と話した。 大統領府は首相承認案が処理されれば、朴槿恵(パク・クネ)大統領が新首相から閣僚の推薦を受け、早ければ今週にも改閣を断行し、一緒に大統領府人事も発表するという構想を持っているために早急な承認処理を要求しているものと見られる。

文在寅新政治民主連合代表が11日午前、国会で開かれた最高委員会議に参加するため会議場に入っている。 イ・ジョンウ先任記者 //ハンギョレ新聞社

　新政治民主連合は党内に強硬な雰囲気が強まっている。 文在寅（ムン・ジェイン）新政治民主連合代表はこの日の最高委員会議で「追加で公開された李完九候補者の録音ファイルは、首相候補者の発言とは信じられない内容だった」として「すでに二度にかけて首相候補者が落馬しており、今回が3回目なのでできるならやり過ごすつもりだったが、もはやそうはできなくなった」と話した。李候補者に友好的な態度を取ってきたウ・ユングン院内代表もハンギョレ記者と会い「李候補者があまりにも首相の夢を永く抱いてきたので、十分に準備ができていると考えたし、私たちもまた落馬させることが負担になった。しかし、今は仕方なくなった。保守マスコミさえも李候補者に対して非常に批判的だ。与党内ですら反乱票が出てくる状況」と話した。

　新政治民主連合はこの日午後に院内対策会議を招集し、審査経過報告書の採択、本会議表決参加の有無など、今後のシナリオと対応方案を協議した。 アン・キュバック院内首席副代表は記者らと会い「12日に開かれる人事聴聞特別委会議に参加してみて、採択に反対するか、あるいは最初から会議に参加しないかを相談した。また、与党が報告書を単独採択し任命同意案が本会議に付議される場合、表決を拒否するか、反対を党論として定め表決に参加するかなど様々な事態について意見を交わした」と伝えた。 新政治民主連合は12日に議員総会を開き、表決に対する最終方針を定める予定だ。

　首相任命同意案は在籍議員(295人)の過半数(148人)出席で、出席議員の過半数が賛成すれば通過するので、セヌリ党所属158人中148人以上が本会議に出席し75人以上が賛成すれば李候補者の任命同意案は通過する。 チョン・ウイファ国会議長も、野党が参加しなくとも国政空白憂慮などの理由で任命同意案を上程する可能性が高いと明らかにした。 ウ・ユングン院内代表は「与党単独で首相候補者任命同意表決を強行すれば、首相になっても李完九候補者は半植物首相になるだろう」とし「パク・サンオク大法院（最高裁）判事候補者も自然に落馬することになるだろう」と話した。

　一方、李候補者に対する人事聴聞会の最終日であるこの日、与野党は李候補者の次男が所有する京畿道盆唐（プンダン）の土地投機疑惑と関連して、李候補者の知人であるカン・ヒチョル氏などを証人として呼び出して質疑を行った。