本文に移動

裁判を目前に遅々として進まぬセウォル号事故捜査(2)

登録:2014-09-10 22:25 修正:2014-09-11 20:54
6月24日、光州広域市東区の光州地裁で開かれたセウォル号乗務員に対する第3回裁判が始まる前、セウォル号のイジュンソク船長が光州地検拘置所に到着している。光州 ニューシス

 政府が海洋警察の解体を発表した後に本格化した海洋警察の不手際な救助に対する検察の捜査も、“はっきりしないまま”終えられる可能性が高い。 検察はセウォル号事故発生当時、事故現場に最初に到着していながらセウォル号の船内に進入して乗客に脱出を指示しなかったため物議をかもした木浦(モクポ)海洋警察123艇所属の海洋警察官の起訴可否について苦悩している。

123艇の艇長に対する業務上過失致死容疑の適用有無に注目が集まっている。 だが、光州地検関係者は「海洋警察123艇のキム艇長に対して拘束令状を再請求するのか」という質問に対し、「123艇が何もしなかったわけではないし…。 世界的に類例のない事例であるため、どんな法律的定規を突きつけるべきかを検討している」と話した。

これに対して大韓弁護士協会真相調査団は「当時(海洋警察の)救助がなぜ“中途半端”になされたのかを明らかにしなければならない」と指摘する。

 セウォル号事故関連者の裁判も光州地方裁判所と木浦支所などで進められている。光州地裁と木浦支所により起訴された関連者は計51人に達する。 裁判は6月10日に初めて開かれた後、火曜から金曜日の午前10時から午後6時頃まで開かれている。 セウォル号の船員15人は、私選弁護人を雇えず全て国選弁護人が担当している。 京畿道安山(アンサン)のセウォル号事故遺族に配慮して、司法史上初めて水原(スウォン)地裁安山支所では映像を通じて裁判の過程を生中継している。

 イ・ジュンソク船長らに対する審理は10月の後半には終わる予定だ。 イ船長ら被告人の拘束満期(11月14日)前に宣告がなされるものと見られる。 最大の関心はイ・ジュンソク船長ら核心的な被告人4人に対する殺人罪の認定有無だ。 イ・ジュンソク船長ら船員の弁護人は「(船員は)海洋警察が出動したので乗客たちは救助されると思った」として殺人の(未必の)故意を否認し、救助の責任を海洋警察側に押しつけようとしている。

 救命装備点検業者である海洋安全設備の前・現役職員4人は、29日に初公判が開かれ、船舶安全検査機関である韓国船級の検査員1人に対する公判も22日に始まる。 清海鎮(チョンヘジン)海運関係者と前・現職の公務員8人に対する第2回公判も15日に開かれる。 被告人はキム・ハンシク代表など清海鎮海運関係者4人、仁川(インチョン)港湾庁と仁川海洋警察の前・現職公務員4人だ。 船室増設などの認可過程等でわいろを授受した容疑で起訴された被告人もほとんどが金品授受の事実を否認している。

 オ・ヨンジュン弁護士は「セウォル号は船の使用年数が20年を過ぎ、運航が中断された船を持ってきて運航し、国家保護装備に指定されて災難時の難民輸送や安保のために当然に復原性が重要な問題であった。 従って増築の安全性をチェックしなければ国家装備に指定されえなかった」とし「セウォル号の不法増改築問題は事故の重要な原因を提供したという点で大変重要だ」と話した。

セウォル号事故当時、管制を疎かにした容疑で起訴された珍島海上交通管制センター(VTS)所属の海洋警察官13人に対する初公判も29日に開かれる。

光州/チョン・デハ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/area/654646.html 韓国語原文入力:2014/09/10 20:17
訳J.S(1301字)

関連記事