朴大統領、例年と異なる光復節祝辞
「経済法案が足止めされ」と国会通過を圧迫
国会の梗塞原因である「セウォル号法」には言及せず
祝辞に対する与野党の評価は‘両極端’
「ビジョン提示」「朴正煕式開発経済の認識」
15日に発表された朴槿恵(パク・クネ)大統領の光復節祝辞は、国家革新や経済活性化など、国内の主要懸案に対する言及がかなりの部分を占め注目された。 通常、光復節祝辞は大統領が南北関係や東北アジア懸案など大きな枠組みの対外構想を明らかにする場として活用されてきた点から考えると、今までとは少し変わった祝辞と言える。
昨年の光復節祝辞と比較すると、これまでの1年間の朴大統領の国政基調が、成長と景気浮揚に重心を移したことが明確になる。 朴大統領は今回の祝辞で「政府は何より経済活性化に国政の力量を集中し、これまで続いてきた沈滞と低成長の連鎖を断ち切る」とし、△財政・税制・金融などすべての政策手段を総動員した内需景気再生△来年予算は最大限拡大基調で編成△エネルギーと安全産業を未来新産業として積極的に育成△規制改革を通した観光・医療など有望サービス業の成長動力化などに言及した。
昨年の祝辞で経済分野に関連して「原則が確立された市場経済の下で、大企業と中小企業が共生を通じて共に発展できるようにする」、「すべての経済主導者が公正に競争する風土を作り、学閥ではなく能力で評価される社会のムードを作る」と強調したのとはまったく異なる内容だ。 祝辞には‘経済活性化’があるだけで、大統領選挙の公約だった‘経済民主化’という単語は消えた。
執権2年目にセウォル号事故や相次ぐ人事失敗などを経ながら、今まで何一つまともに成果を出しておらず、‘経済再生’以外には打つ手がないという大統領府の切迫した雰囲気が見てとれる。 朴大統領は今回の祝辞で「経済法案が国会で足止めされ、ようやく作りだした経済活性化の火種がいつ消えるかも知れない危機に立たされている」として、「政界が国民の民意に従う政治で経済を活性化させ、新しい大韓民国を作る道の先頭に立つようお願いする」と要請した。 国会が梗塞局面に陥ることになった原因である「セウォル号特別法」については何の言及もせず、国会に経済関連法案の通過をより強く迫る、世論形成用のメッセージとしての性格が強いように思える。
祝辞に対する与野党の反応は異なる。 キム・ヨンウ・セヌリ党スポークスマンは「革新と変化の大韓民国として前進するためのビジョンを提示した」として「政界が心を一つにして民生を大切にしなければならない」と論評した。 反面、ユ・ギホン新政治民主連合スポークスマンは「過去の朴正煕大統領時代の開発経済の認識を表現したのではないかと考える。 セウォル号聴聞会やセウォル号特別法は、現実には大統領府で滞っているにもかかわらず、朴大統領特有の幽体離脱話法で汝矣島(ヨイド、国会を指す)を批判する姿を見せた」と指摘した。
ソク・ジンファン記者 soulfat@hani.co.kr