‘弱者の友’と呼ばれるフランシスコ教皇が訪韓初日の14日、社会指導層に「貧しい人々と脆弱階層、自分の声を上げられない人々に格別の配慮をし、彼らの切迫した要求を解決してあげなければならない」と要請した。
教皇はこの日午後、大統領府迎賓館での演説でこう話した。この席には政府要人と駐韓外交団など、各界各層の約200人が招待された。 教皇は演説の中で、一貫して‘親愛なる友よ’と呼びかけ、親近感を表現した。
教皇は‘資本’より‘人’を大切に思ってきた普段の所信をそのまま伝えた。 彼は「みなさんは国家と政治の指導者として、窮極的に私たちの子供のためにより良い世の中、さらには平和な世の中、正しくて繁栄する世の中を建設するという目標を指向している」と述べ、「私たちはますます世界化される世の中で、共同善と進歩と発展を単純に経済的概念ではなく、究極的には人を中心に理解しなければならない」と強調した。 それと共に「ここで社会構成員一人ひとりの声を聞いて、開かれた心で疎通と対話と協力を増進させることが非常に重要だ」と社会的連帯の価値を強調した。
‘貧者の父親’らしく、彼は疎外階層に対する格別の社会の配慮も要請した。 教皇は「貧しい人々と脆弱階層、そして自分の声を上げられない人々に格別の配慮をすることもやはり重要だ」として、「彼らの切迫した要求を解決してあげるだけでなく、彼らが人間的、文化的に向上できるよう助けなければならない」と注文した。セウォル号事故と関連して直接的な言及はないが、‘彼らの切迫した要求’には真実糾明を望む犠牲者家族の叫びも含まれるものと分析される。
彼は長期にわたる戦争と葛藤の苦痛に満ちている朝鮮半島に対する平和も祈願した。 教皇は「私たちの若者には平和という贈り物が必要だと省察することは特に重要だが、平和の不在で永く苦痛を受けてきたこの地、韓国では、このような呼びかけがより一層切実に聞こえるだろう」と慰労した。 さらに「私は朝鮮半島の和解と安定のために傾けてきた努力を祝賀し励ますのみだ。 韓国の平和追求はこの地域全体と戦争に疲れた全世界の安定に影響を及ぼし、私たちの心にとっても切実な大義」と祈った。
これに先立って教皇は「朴槿恵(パク・クネ)大統領の暖かい歓迎に感謝申し上げ、私の訪韓のために努められたすべての方に感謝申し上げる。 おかげですぐに心が安らかになった」として、自身を歓待した全員に感謝の気持ちを伝えた。
ソ・ボミ記者 spring@hani.co.kr