中小企業で働く労働者の月平均賃金は、大企業の労働者に較べ半分をやや上回る水準だ。韓国の中小企業の半分ほどは、大企業に納品する下請企業だ。 適正な納入単価の保障と公正取引の定着などを通して大企業・中小企業の格差を解消することが、家計所得の増大のための主要課題である理由だ。しかし、24日に発表された新経済チームの経済政策方向には、大・中小企業間の格差を解消するための対策は見当たらない。
中小企業中央会が毎年出版している中小企業統計を見れば、昨年、韓国の大企業労働者が月平均444万7000ウォン(約44万円)を受取る一方で、中小企業の労働者は276万4000ウォンを受取ったことが分かる。中小企業で働く労働者の賃金水準は大企業の労働者の62.2%に過ぎなかったわけだ。大企業に較べ中小企業の賃金比率は70%台の後半を記録し続けてきたが、1997年の通貨危機で現水準まで下がり、その後回復していない。
ホン・ジャンピョ釜慶(プギョン)大学教授(経済学)は「中小企業と大企業の賃金格差が大きいのは、大企業・中小企業間の不公正取引などにより中小企業の賃金支払能力が低下したためだ」として「韓国の労働者の80%以上が中小企業で働いているという点で、大企業・中小企業の同伴成長は家計所得増大の主要戦略とされるべきだ」と話した。<福祉国家ソサエティー>のチェ・ビョンチョン委員は「サムスン(三星)電子やヒュンダイ(現代)自動車で働く正規職労働者の賃金が低いから消費が低迷したわけではないでしょう?」と反問した。
しかし、新経済チームが発表した経済政策方向には、これと関連して不公正取引の申告褒賞金制度導入のための下請法改正案の作成、大型流通企業の販売手数料調査および結果公開、加盟分野の重点監視業種の現場調査および法違反の是正くらいしか内容がない。それさえも施行時期は今年の12月だ。
企画財政部側では、加盟事業法など主要法案が昨年改正されたためと説明したが、大・中小企業問題や企業と家計の所得間の連結環に対する深い考察が足りなかったという告白も出ている。企画財政部関係者は「家計所得の拡大という政策基調の中に、大・中小企業間の問題を包括しなかった側面がある。副総理の交替などで時間が足りなかった」と認めた。
世宗/キム・ギョンナク記者 sp96@hani.co.kr