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中-日間覇権競争 加速…韓国の外交的立場 縮小

登録:2014-07-02 21:18 修正:2014-07-04 01:24
2日午前、ソウル中学洞(チュンハクトン)の日本大使館前で開かれた日本軍慰安婦問題解決のための水曜集会で、日本軍慰安婦被害者キム・ボクトン(最前列左)、キル・ウォンオク ハルモニと参加者が日本に対して集団的自衛権行使試図の中断を要求するスローガンを叫んでいる。 パク・ジョンシク記者 anaki@hani.co.kr

米国、韓国にMDシステム導入を要求
中国も‘どちら側か’圧迫する公算

日本、韓半島公海上で北朝鮮船舶を捜索する時
北朝鮮-日本 衝突発生…韓国安保に飛び火

 日本の自衛隊が69年ぶりに戦争できるようになり、韓半島に及ぼす影響も侮れないものと見られる。 これは間接的影響と直接的な影響に分けて考えることができる。

 まず、韓半島が‘間接的な’台風の影響圏に入るケースを予想できる。‘戦争できるようになった’自衛隊が、東北アジアの安保不安を起こし、このような安保環境の悪化が韓半島にまで影響を及ぼすケースだ。

 この内、中-日間の領域内覇権競争の加速化が最も危険なシナリオだ。 中国は日本の自衛隊の役割拡大を口実に国防費を増加して、日本もまた中国の国防費拡大を名分として自衛隊の役割を拡張し続ける悪循環が発生する可能性があるためだ。 いわゆる‘相互威嚇認識’の増大にともなう軍備競争と言える。 この場合、韓国も軍拡競争の隊列に合流すべきか否かは深刻な苦悩につながらざるをえない。 中国と日本の民族主義が高潮し、外部に対する両国家の敵対的認識が増加すれば、これに刺激された韓国世論も揺れ動く可能性が大きいためだ。

 その上、中-日間葛藤が激化する場合、韓国の外交的立場はより一層狭まらざるを得ない。 中国と、アメリカを背に負った日本とは、韓国を引き込むために、時には魅力攻勢を、時には圧迫戦略を駆使することが明らかなためだ。 今でも米国は対中牽制のための韓・米・日安保協力体制を構築するために韓国にミサイル防御(MD)システムの導入などを要求しており、中国も韓国に対して相当な精魂を込めている。 匿名を要求した安保専門家は「日本の集団的自衛権保有により中国と日本は敵対的提携関係になった」として「南北に分かれている韓半島は、中-日葛藤が深化するほど‘どちら側か’という質問を絶えず受けることになり、不安な環境に追い出されることになる」と強調した。

//ハンギョレ新聞社

 日本の自衛隊の役割拡大と相まって、米国がこの地域で引き受けてきた安保の軸が揺れ動くことも状況を変化させる要因になり得る。 米国の財政赤字拡大と孤立主義選好世論の増大が持たらしかねない波紋だ。 イ・ヘジョン中央(チュンアン)大教授(政治国際学部)は「1972年ニクソン米大統領の訪中と中-日修交当時、中国は米国が日本を統制する手段として米-日同盟を領域内秩序として許容した」として「今度は米国が手を離して日本が独自の武力を持つことになり、東北アジアの秩序が根本から変わるだろう」と分析した。 この場合、韓-米同盟がアジアで日本を代理人として掲げる米-日同盟の下位体系に転落し、韓国が東北アジア葛藤の最前線に追いやられる可能性も排除できない。

 第二に、自衛隊の集団的自衛権許容により韓半島が直接的な台風の影響圏に引き込まれるケースも想定できる。 集団的自衛権に対する日本政府の1日の閣議決定内容を見れば、韓半島近隣公海など大韓民国の領海外に自衛隊を派遣することに関し、韓国政府の意志がどこまで反映されるかは不透明だ。 例えば日本政府が集団的自衛権の一環として韓半島近隣公海で北朝鮮の船舶捜索を試みる場合、北朝鮮-日本間に物理的衝突が発生する可能性があり、これは韓国の安保にも直ちに飛び火しかねない。 だが、韓国が実質的にこれを制御する方法は見当たらない。 また、日本が集団的自衛権の事例として挙げた米国艦船の保護、弾道ミサイル迎撃なども、韓国の利害関係に関わりうるが、韓半島の領土を外れた近隣公海上でなされる場合には関与が難しい。

 更に北朝鮮のミサイル攻撃の可能性を念頭に置いた米国の‘先制的自衛権’発動に対して日本が支援に乗り出す場合、韓半島有事時の戦時作戦統制権を持っているアメリカの要請で日本が集団的自衛権を前面に掲げて介入するケースなどは、韓半島に直接的な影響を及ぼしかねない懸案だ。 これに伴い、集団的自衛権を容認した日本に対し直接的な影響力を行使する方案はないかもしれないが、韓国が主導的に南北間の求心力を確保し、6者会談など領域内多者機構を活性化し、中国や日本など特定国家の影響力が過度に拡大することを牽制しなければならないという声も出ている。

キム・ウェヒョン記者 oscar@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/645264.html 韓国語原文入力:2014/07/02 20:35
訳J.S(2109字)

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