2004年の総選挙時、公認脱落の理由になる
‘秘書’と‘参謀’を長く務めた外交官出身
‘外交・安保分野のハト派’評価
2007年の大統領候補党内競選から朴大統領側の最側近
国家情報院長候補者に指名されたイ・ビョンギ(67)駐日大使は、朴槿恵(パク・クネ)大統領の外交・安保人脈で事実上‘座長’として挙げられる人物だ。 外交官経歴に基づいて、政府と大統領府および国家情報院、そして‘汝矣島(ヨイド)政治’まで広く経験した豊富な経歴が長所として挙げられている。 その反面、旧ハンナラ党不法大統領選挙資金事件当時、巨額を渡した履歴は聴聞会過程で論議が予想される。
イ候補者が国会聴聞会を通過すれば、ノ・シニョン前総理(1982~85年安全企画部長)以来30年ぶりの‘外交官出身情報機関長’になる。 国家情報院が軍出身のナム・ジェジュン前任院長の時とどのように変るかが注目される。
彼を良く知るある政界要人は「イ候補者は外交安保分野で‘ハト派’に近い。 外交官出身らしく幅広い考慮を多くして、極端な主張を絶対にしない人」と話した。 対北朝鮮関係にも軍出身だった前任ナム院長よりはバランスが取れた視角を備えているとのことが周辺の評価だ。
だが、最近強硬一辺倒に駆け上がった南北関係の中で、彼の指向がそのとおりに出せはしないだろうという展望が出ている。 特に安保分野のコントロールタワーに相変らず軍出身の対北朝鮮強硬派であるキム・クァンジン国家安保室長が留まっていて、身動きの幅も広くはないものと見られる。 しかもイ候補者は朴大統領の最側近に挙げられる人物だ。 2007年大統領選挙候補党内競選時から‘朴槿恵キャンプ’に電撃的に身を投じ、外交・安保ラインを直接設けるなど核心として活躍しただけに、むしろ対北朝鮮強硬論を維持している朴大統領の意向に逆らったり直言をするよりは‘主君’の意に忠実に従う役割をするのではないかということだ。
外交官出身でありながらも‘秘書’と‘参謀’を永く務めた彼の特異な経歴もこのような展望をさらに濃厚にする。 イ候補者は1970年代末、駐ジュネーブ大使館で一緒に仕事をしたノ・シニョン前総理の推薦で盧泰愚(ノ・テウ)元大統領が内務部長官と与党代表などを経て大統領府に入城する時まで、約10年にわたり秘書職をひきうけ遂行した。
金泳三(キム・ヨンサム)政府では、国家情報院の前身である国家安全企画部で第2次長などとして勤め、1997年ファン・ジャンヨプ元朝鮮労働党秘書の亡命事件の時、水面下での作戦の総括を務めたと伝えられる。 金大中(キム・デジュン)政府の初期にしばらく外国を転々とした彼は、2001年末にイ・フェチャン ハンナラ党(セヌリ党の前身)総裁の秘書格である政治特別補佐官として政界に入った。
以後、イ候補者は2002年大統領選挙の時イ・フェチャン候補の特別補佐官として当時民主党大統領選候補競選から脱落したイ・インジェ議員側のキム・ユンス公報特別補佐官に「ハンナラ党に有利な役割をしてほしい」として5億ウォンを直接渡しもした。 当時、検察はイ候補者を単純伝達者として判断し起訴しなかった。 イ候補者は2004年総選挙の時、ハンナラ党比例代表国会議員の公認を申し込んだが、このような前歴のために脱落した経緯がある。
朴大統領が先月、国務総理候補者として大統領競選資金捜査を指揮したアン・デヒ元中央捜査部長を指名したのに続き、今回は‘車に積んで’集めた大統領競選資金を不法に伝達した‘配達責任者’を国家情報院長候補者に指名したわけだ。
キム・ウェヒョン、ソク・ジンファン記者 oscar@hani.co.kr