27日午後、アン・テヒ国務総理候補者の辞退のニュースが伝えられた後、大統領府は文字通りいわゆる‘メンタル崩壊’状態に陥った。 国務総理候補者を新たに指名しなければならない境遇に追い込まれることになり、朴槿恵(パク・クネ)大統領が準備中の内閣および大統領府秘書陣改編などの人的刷新作業も‘全面ストップ’された。 ‘特捜通’総理を前面に出して、公職社会を含む社会全般に対する大々的な監査作業を通じて‘国家改造’に乗り出すという朴大統領の構想にも支障が起きることになった。
アン候補者の辞退により、まず朴大統領が予告した‘人的刷新’日程は大幅に遅れる展望だ。 朴大統領は去る22日、アン候補者を総理に指名して「新総理の任命提案を受けて内閣を構成する」と明らかにしていた。 これに伴い、アン候補者の人事聴聞会が終わる6月中旬に大幅な改閣が予想されていた。 だが、アン候補者の辞退により、6.4地方選挙前には新候補者指名が事実上不可能になり、改閣日程も最低で1ヶ月以上延期になるものと予想される。 新総理候補者を物色し検証するのに相当な時間がかかるだけでなく、指名以後の人事聴聞会まで再び険しい過程を経なければならないためだ。 大統領府は内閣改編と共に大統領府首席秘書官級の交替も共に断行する予定だった。 だが、これまたアン候補者の辞退で朴大統領が再び危機を迎えることになり、人的刷新自体が‘霧の中’に包まれる局面になった。 検察出身総理候補が落馬して、再び法曹人出身を重用することが難しくなり、総理に‘監査作業’を任せて残りの分野は‘経済、社会、安保’3分野のコントロールタワーを通じて国政を導こうとしていた朴大統領の下絵も修正される危機に陥った。
ただし、今週中に発表される予定だった国家情報院長候補者と、大統領府国家安保室長の人選は大きく遅れはしないものと見られる。 外交安保分野を総括する安保室長の席が一週間以上に亘り空席ということ自体が、朴大統領としては負担にならざるをえないためだ。 安保室長は長官級だが、国会人事聴聞会を経る必要がなく直ちに業務を始められる。 地域配分のせいで人選日程が遅れた国家情報院長候補者指名も同時に行われる展望だ。 大統領府関係者は「国家情報院長候補者に対する自主人事検証がほとんど終えられたと理解する」と伝えた。
大統領府の雰囲気は政府スタート以後‘最悪’の水準だ。 大統領府関係者たちの話を総合すれば、アン候補者が辞退記者会見を行う直前まで、大統領府首席秘書官級参謀さえもアン候補者の辞退の便りを全く知らずにいたという。 アン候補者の辞退記者会見をテレビで見守った大統領府参謀の間では‘嘆き’が溢れ、一部では「無責任な決定」という糾弾があふれた。 大統領府関係者は「アン・テヒでも駄目なら、もう誰が検証を受けようとするか。お先まっ暗だ」とため息をつきもした。
これに先立って、アン候補者は辞退直前にキム・ギチュン秘書室長を通じて朴大統領に辞退の意向を伝えた。 ミン・ギョンウク大統領府報道官は「キム秘書室長を通じて辞退意思を伝え聞いた朴大統領が‘残念そうだった’と秘書室長が伝えた」と明らかにした。 キム・キチュン秘書室長は記者会見直後に主な参謀を招集して緊急会議を開き、今後の対策などを議論した。
ソク・ジンファン記者 soulfat@hani.co.kr