朴槿恵(パク・クネ)大統領がセウォル号惨事以後に悪化した世論を収拾するために、アン・テヒ国務総理候補者の指名と、ナム・ジェジュン国家情報院長とキム・ジャンス国家安保室長の辞表受理など相次いで人的刷新策を打ち出した。 だが、朴大統領は‘キム・ギチュン秘書室長留任、アン・テヒ国務総理指名’に象徴される検察人士の要職配置、<韓国放送>(KBS)事態に対するキル・ファンヨン社長の強い正面対抗などから分かるように‘検察’と‘公営放送’二つの事案に対してはこれ以上一歩も退かない意志を示している。
これに伴い、検察出身の法曹人が政府核心ラインに前進配置された上に、今まで大統領府の不通と逆走行を主導したという批判を受けてきたキム・ギチュン室長が国政を思うままにする構図が依然維持されるものと予想される。 朴大統領はアン候補者の他にも最近の人事を通じて公安検事出身のキム・スミン国家情報院2次長、特捜部検事出身のウ・ビョンウ民政秘書官など、検察出身者を核心職務に配置してきた経緯がある。 与党のある要人は「朴大統領がナム・ジェジュン国家情報院長とキム・ジャンス国家安保室長など軍出身要人を周辺から排除する代わりに、検察出身の法曹人で参謀陣改編を試みたと見られる」として「‘司法の刀’と‘公安の盾’でセウォル号危機局面を突破しようとする意であるようだ」と評価した。
これと共に、セウォル号惨事以後に批判世論が高まっている大統領府による<韓国放送>介入論議に対して、大統領府が沈黙を守っているのもこのような雰囲気と関係がなくはない。 セウォル号惨事報道を契機に<韓国放送>内外で政府偏向報道によって‘青営放送’(青瓦台=大統領府営放送)論議が起きているが、朴大統領は公営放送を政権の影響下にそのまま置くものと見られる。 インターネットとSNS等で若年層と進歩陣営の声がますます高まり、オンラインを通した世論形成とイシュー設定で大統領府は進歩陣営にその都度押されているという危機意識が強い。 去る大統領選挙の時、国家情報院のコメント介入事件でもはやオンライン上での組織的対応が容易ではない状態であるため、公営放送までが政権から抜け出す場合、世論戦でより一層押されることを憂慮しているためだ。 最近、放送通信委員会に野党推薦人士の常任委員任命を先送りして、セウォル号惨事以後、審議機構である放送通信審議委員会委員長に大統領選挙キャンプ出身人物を配分したことからもこれを知ることができる。
ソク・ジンファン、イ・ジョングク記者 soulfat@hani.co.kr