本文に移動

[旅客船沈没 大惨事]ミン・ギョンウク大統領府報道官 「大統領府は災難コントロールタワーではない」

登録:2014-04-23 21:08 修正:2014-09-05 14:34
ミン・ギョンウク大統領府報道官。 大統領府カメラマン団

1週間前には国家安保室を通じて直接関わると言ったのに
‘無能政府’責任論から大統領府だけ一抜けか

 キム・ジャンス大統領府国家安保室長が「大統領府国家安保室は災難のコントロールタワーではない」と明らかにして、セウォル号救助の無能対応に対しあふれる責任論から大統領府が身を避けようとしているのではないかという批判が出ている。 16日、セウォル号事故発生当時、朴槿恵(パク・クネ)大統領が大統領府国家安保室を通じて事件の報告を受け、直接関わっていると強調した姿とは180度変わったためだ。

 キム室長は23日午前、ミン・ギョンウク大統領府報道官を通じて「大統領府国家安保室が‘大統領府の災難コントロールタワー’という一部新聞の報道は誤り」として、このように話した。 今回の事故のコントロールタワーの役割をすべきだった大統領府国家安保室傘下の国家危機管理センターが、事故序盤に大統領に不正確な情報を伝達するなど混線を招いたという<東亜日報>報道に対する反論だった。

 ミン報道官は「安保室の役割は、統一・安保・情報・国防のコントロールタワーだ。 自然災害のような事が起きた時のコントロールタワーではない」として、「国家安保と関連して見なければならないことが多い所だ。 災難に対して姿を現わさないという(批判は)適切でない」と伝えた。 また「法令で見れば、政府内では(コントロールタワーの役割を)中央災害安全対策本部(中対本)が担うのが正しい」として、安全行政部に総括責任を転嫁した。

 だが、大統領府はセウォル号沈没の深刻性が確認されていなかった事故初期に、事故に直接関わって十分に事故に対応できるかのような姿を何度も見せた。

朴槿恵(パク・クネ)大統領が21日、大統領府で開かれた首席秘書官会議で発言をするためにマイクを掴んでいる。 大統領府カメラマン団

 16日、セウォル号事故に対して朴大統領に報告をした当事者がまさにキム・ジャンス国家安保室長であるためだ。 朴大統領は16日午前9時50分頃、キム室長からセウォル号の異常兆候に関する報告を受けた。 大統領府は当時報道資料を通じて「現在、大統領府はキム・ジャンス安保室長が危機管理センターで事故と救助の現況を把握するなど、必要な措置を取っていて関連状況を直ちに大統領に報告している」と明らかにした。

 だが、当時の報告は危機の深刻性を把握出来ない状態でなされたものと推定される。 朴大統領が報告を受けて「旅客船の客室はもちろん機関室まで徹底的に確認して、一人の人命被害も発生しないようにしなさい」という自信に充ちた指示を与えたからだ。 この時はすでにセウォル号が沈んだ後だ。 そうではなく潜水救助支援を指示しなければならないタイミングだった。 そればかりでなく、午前11時頃には‘全員救助’という誤った便りが伝えられた。

 しかし事態は次第に尋常ではなくなった。 中央対策本部は全員救助ではなく368人を救助したと明らかにし(午後2時)、以後に164人に訂正(午後4時30分)するなど、引き続き混乱をきたした。 行方不明者の数はますます増えた。 高校生たちが船内に閉じ込められているという便りがニュースを通じて伝えられた。

 午後5時10分頃、朴槿恵(パク・クネ)大統領が直接中央対策本部を訪ねた。 この時、朴大統領は「ライフジャケットを高校生たちが着たというのに、そんなに発見が難しいのか?」と尋ねた。 事故から9時間が過ぎた時点まで高校生たちが船内に閉じ込められているという事実を把握できなかったわけだ。 災難の総括管理をして、混乱をもたらした中央対策本部を指揮しなければならない大統領府が、事態把握もできていなかったことを示している。

 朴大統領は事故の翌日である17日に珍島を訪問し、その後も国家危機管理センターの報告を継続して受けていると報道された。

チョン・ユギョン記者 edge@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/634209.html 韓国語原文入力:2014/04/23 17:56
訳J.S(1805字)

関連記事