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[旅客船沈没 大惨事] 安易な現場対処・指揮体系 混線…政府が被害を拡大した

登録:2014-04-17 21:53 修正:2014-04-17 23:52

 300人に近い乗客が死亡または失踪した全南(チョンナム)珍道(チンド)セウォル号沈没事故は、現場公務員たちの安易な初動対処と安全行政部・海洋水産部など災難管理指揮体系の混線が重なって犠牲者を増やし事態収拾を難しくしたという情況があらわれている。

 17日、海洋水産部(海水部)が公開した録音収録を見れば、セウォル号のある乗務員は、事故が起きた16日午前8時55分に海水部傘下の済州(チェジュ)海洋管理団海上交通管制センター側との交信で 「本船は危険です。今船が大きく傾きました。 動くことはできません。 コンテナも傾いて、人々の移動が困難です」として、当時の急迫した状況を伝えた。 コ・ミョンソク海洋警察庁装備技術局長は17日、背景説明ブリーフィングで 「(事故当日)午前9時30分にヘリコプターと艦艇が到着したが、その時はすでに船が50~60度傾いた状態だった」と明らかにした。 このようになれば「片側に積み荷が片寄り、人間も片側に押しやられることになる。 そこから抜け出し、窓から脱出することは非常に難しい。 そのために犠牲者が多くなる可能性があった」というのがコ局長の説明だ。

 交信記録と初期状況報告等を通して、事故初期から船舶の沈没を前にして深刻な状況であることを確認したにも関わらず、海上警察や海水部などの政府部署のどこも‘乗客にライフジャケットを配り、船舶から早く脱出させろ’とは指示しなかった。

 事故収拾の責任を負わなければならない政府は、午前中を通して状況を楽観的に判断していた。 大統領府も事故初期にきちんとした状況報告を受けられなかったために、より積極的な対応を注文できなかったと言う。 16日昼、大統領府関係者は記者たちに「言論を通じてリアルタイムに伝えられるのと大差のない状況報告を受けた」と打ち明けた。

 政府は船が転覆した後に、救助船舶とヘリコプターなど救助装備を2倍に増やした。 午前10時、海上警察・軍・消防防災庁などからヘリコプター16機、船舶24隻が出動し、午後3時にはヘリコプター31機、船舶60隻が出動した。 だが、この日午前10時31分には、すでに船舶はひっくり返り船体が水面下に沈んだ状態であった。

 まだ生死が確認されていない相当数の乗客が、旅客船が転覆する直前まで船内に留まっていたものと推定され、事態の初期に潜水訓練を受けた海上警察特攻隊を投じて船体内部で救助活動を展開していなければならないという指摘が出ている。

 汎政府次元の総力対応を指示した朴槿恵(パク・クネ)大統領の指示とは違い、政府部署間の指揮協力体系の混線も明らかになった。 16日終日、海洋警察庁を管轄し海難事故の専門家が多い海水部と災害管理の主務部署である安全行政部の任務と役割が整理されず混線をきたした。

 17日、海上警察などは船内に閉じ込められている乗客に対する救助作業を継続したが、事故海域の気象が悪化し、潜水士など救助隊員の現場投入が事実上中断された。 船体に空気を注入する作業も合わせて遅れた。 船内に生存者がいると期待している失踪者の家族たちは一日中断腸の思いをした。

木浦/アン・クァノク記者、パク・キヨン、ウム・ソンウォン、クォン・ヒョクチョル記者 esw@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/633395.html 韓国語原文入力:2014/04/17 21:17
訳J.S(1575字)

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