北朝鮮が西海(ソヘ)北方境界線(NLL)近隣で砲射撃訓練を行い、これに対し韓国軍が対応射撃に出て、一時南北が砲射撃を交わし合う危険な状況が演出された。 最近の国連安全保障理事会のミサイル発射糾弾などと関連して‘追加核実験’の可能性を挙論した北朝鮮が、今回は西海上で武力示威まで動員して韓半島の緊張が高まる様相を見せている。
北朝鮮は31日昼12時15分頃から3時間余りにかけて西海(ソヘ)海上で8回にわたり海岸砲とロケット砲500余発を発射する射撃訓練を実施した。 この内、北朝鮮軍の砲弾100余発が北方境界線の南側に落ちるや韓国軍が対応射撃に出た。 韓国軍関係者は「北朝鮮の挑発に対応してわが軍もK-9自走砲300余発を北方境界線の北側に発射した」と話した。 この関係者は「北朝鮮が撃った砲弾の一部は北方境界線の南側の我が国海上3.6kmまで侵して落下した」として「空軍側からF-15K戦闘機が発進して北方境界線の南海上で哨戒飛行を行い、万一の事態に備えた」と話した。 ペクリョン島など西海5島の住民たちは北朝鮮の射撃の便りが伝えられると安全な場所に緊急待避した。
UN司令部は直ちに北朝鮮の射撃に抗議した。UN司令部軍事停戦委員会(軍停委)は北朝鮮に通知文を送り "すべての好戦的行為を中止すること" を要求し、今回の事態を議論するための将軍級会談を提案した。 しかし北朝鮮側は特別な反応を見せていないと言う。
韓国軍は北朝鮮の射撃が止まった後にも北朝鮮軍の動向を鋭意注視し、全地域で警戒および監視強化、武器態勢増加など対備態勢を格上げするなど、万一の事態に備えているとのことだ。 軍当局者は「北朝鮮の今回の海上射撃は計画された挑発」とし「北朝鮮が再び挑発するならば断固として懲らしめる」と明らかにした。
これに先立って北朝鮮西南前線司令部はこの日午前、海軍2艦隊司令部に電話通知文を送り「長山串(チャンサンゴッ)から大睡鴨島(テスアムド)前方地域に連なる北方境界線の北側7ヶ地域で射撃訓練を実施する」として、船舶の接近を統制することを要求した。
北朝鮮の今回の射撃は韓-米連合訓練、特にこの日実施された韓-米連合上陸作戦である‘双龍(サンヨン)訓練’への対応である可能性が高いと見られる。 北朝鮮は先月キーリゾルブとトクスリ(鷲)演習など韓-米連合軍事訓練が始まる頃にも東海(トンヘ)上に砲とミサイルを発射し、武力示威をした経緯がある。
また、北朝鮮側漁船の拿捕や対北朝鮮ビラ散布などと関連した北朝鮮の不満が表出されたものである可能性も提起されている。 北朝鮮労働党の機関紙<労働新聞>は31日、韓国海軍による北朝鮮漁船拿捕と関連して、"海賊の巣窟ペクリョン島を灰にしなければならない" 、 "売国逆賊を全てはき捨てる" という各界各層の声を報道した。
キム・ウェヒョン記者 oscar@hani.co.kr