ソウル市公務員スパイ証拠ねつ造事件を捜査中のソウル中央地検真相調査チーム(チーム長 ユン・ガプクン)は中国公文書を偽造して国家情報院に渡した協力者キム・某(61)氏に文書入手を指示したと言う国家情報院キム・某課長を去る15日に逮捕して調査中だと16日明らかにした。 検察が今回の事件と関連して国家情報院職員を逮捕したのはこれが初めてだ。 検察が国家情報院の組織的介入情況を補足しキム課長‘上層部ライン’に対する捜査が一層速度を上げる展望だ。
検察は裁判所から逮捕令状の発給を受け、去る15日調査を受けるために出頭したキム課長を逮捕した。 検察は17日、偽造私文書行使などの疑いでキム課長の拘束令状を請求する予定だ。検察はキム課長を相手にキム氏に文書の偽造を要求したか、偽造の事実は知らなかったが検察捜査チームに伝達する以前に偽造の有無を認知したのか、国家情報院‘上層部ライン’の指示があったかを追及した。
検察はこの間、キム課長を何度も呼んで調査したが「キム氏に文書を入手してくれとは言ったが、伝達される時に文書が偽造された事実は全く知らず、当然‘上層部ライン’も知らなかった」と疑惑を否認したと言う。
キム課長は昨年12月キム氏に会ってスパイ事件の被告人ユ・ウソン(34)氏の弁護人側が裁判所に出した中国三合辺境検査廠(税関)の情況説明書に反論する内容の答弁書を入手して欲しいと要求した。 キム課長はキム氏から偽造文書を渡されて、国家情報院対共捜査局を通じて検察捜査チームに伝達した。
これに先立って検察は、中国公文書を偽造して国家情報院に伝達した疑い(私文書偽造および偽造私文書行使、謀略害証拠隠滅)でキム氏を去る15日に拘束した。 キム氏は拘束前の被疑者尋問(令状実質審査)に先立って、国選弁護人に会い「キム課長からユ氏の疑惑を立証できる人を5人以上確保しろという話を聞いた。 三合辺境検査廠に弁護人側情況説明書に対する答弁書発行を問い合わせたところ拒絶された事実をキム課長に伝えたが、キム課長が繰り返し資料を要求したのでやむなく中国に行って昨年12月頃に偽書類を入手した」と話したと分かった。
検察はキム課長が中国政府が偽造されたものと明らかにした和龍市(ファリョンシ)公安局名義のユ氏の北韓-中国出入境記録と発行確認書の入手過程にも直・間接的に介入していた手がかりを確保したという。 検察はキム課長がキム氏を長期にわたり管理してきた事実から見て、北韓境界地帯に暮らし現地事情に明るい他の中国国籍協力者などを動員し文書偽造を指示したかも調べている。
検察はキム氏の身柄を確保し次第、中国公文書偽造の指示・報告関係にある国家情報院対共捜査局のチーム長、局長、ソ・チョンホ2次長、ナム・ジェジュン国家情報院長など上層部ラインの介入有無を確認する方針だ。
また、検察はキム氏の中国公文書偽造取得・伝達過程にかかわった国家情報院職員イ・インチョル瀋陽駐在総領事館領事に対しても虚偽公文書作成の疑いで事前拘束令状を請求する方案を検討中だ。 キム・ソンシク、イ・ギョンミ記者 kss@hani.co.kr