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「特定勢力が意図を持って事実と異なる内容を流している」 検察、国家情報院に警告

登録:2014-03-03 22:21 修正:2014-09-05 16:59
パク・ポムゲ民主党議員が17日午前、国会法制司法委員会全体会議でファン・ギョアン法務部長官に検察が‘ソウル市公務員スパイ事件’の証拠として提出した中国側公文書コピーを見せて偽造有無を質問している。 キム・ギョンホ記者

 ‘脱北華僑出身ソウル市公務員スパイ事件’証拠偽造疑惑を調査中の検察が "特定勢力が意図を持って事実と異なる内容を流している" として、事実上国家情報院に向かって強い不満を表わした。 検察は中国側公文書の偽造経緯などを糾明するために中国に司法共助を要請した。

■ "特定勢力が事実と異なる話を流している"

 検察真相調査チームを総括指揮するユン・ガプクン(50)最高検察庁強力部長は3日 「マスコミの報道内容のうち、調査された人々の陳述内容が相当部分事実と違う。断じて言うが(その出処は)検察では無いと確信する。 外部で誰が、どんな意図を持ってする話かわからない」として「報道内容に一定の方向性があるようだ」と不快感を表わした。 ユン部長は「特定の人、特定勢力が意図を持って(事実と異なる内容を流しているという)そうした点を念頭に置いて記事を作成してほしい。 (瀋陽駐在総領事館所属で国家情報院職員である)イ・インチョル領事が検察に来て説明した文書の入手経緯と報道されたイ領事の陳述内容は多くの部分で間違っている。 ファクト(事実)とかけ離れている部分もある」と強調した。 ユン部長が‘特定勢力’である国家情報院を指して、世論を糊塗するなと警告を送ったわけだ。

 最高検察庁デジタル捜査センターが先月28日、スパイ容疑を受けているユ・ウソン(34)氏の控訴審裁判所に証拠として提出された国家情報院・検察側文書に事実上‘印鑑偽造’という判定を下した後、一部の言論は‘国家情報院が在中同胞情報部員から関連文書を受け取った。 この在中同胞は、中国公務員から文書を受け取った’などと報道した。 これは証拠偽造の責任を在中同胞と中国公務員に押し付けるものだ。 このような主張は証拠偽造疑惑に火が点いた草創期から、国家情報院と公安検察の一角で提起されてきたものだ。

 だがこのような主張は、国家情報院自らの主張とも外れている。 国家情報院は偽造疑惑を受けている文書の一つである和龍市(ファリョンシ)公安局の‘事実確認書’(検察が提出したユ氏の出入境記録を発行した事実があるという内容)に関して "和龍市公安局がファックスを通じてイ・インチョル領事に送った" と説明してきた。 第三者が介入する余地はないということだ。 ユン部長は 「イ・インチョル領事も(該当文書を)ファックスで受け取ったという既存の説明を維持している。 (在中同胞情報部員に関する)そのような内容は、当初国家情報院が検察に送った答弁書にもない」と話した。

■ 中国に司法共助要請

 検察は最高検察庁デジタル捜査センターによる鑑定の結果、国家情報院・検察側の提出文書とユ氏弁護人側の提出文書に捺された三合辺境検査廠(税関)の印鑑がそれぞれ異なるという結果が出てきたので、中国に印鑑原本と文書流出の経緯などを知らせてほしいと刑事司法共助要請をした。 最高検察庁はこの日、法務部に要請書を送り、数日内に中国側に伝えられるものと見られる。

 検察は中国の協力を期待する表情だ。 中国政府が偽造されたと明らかにした公文書3件の発行経緯に対する自主調査結果と印鑑原本などを送れば、国家情報院の解明を客観的に検証できることになる。 だが、中国がどれくらい早く共助に応じるかは予測し難い。 中国に協力義務があるわけでもない。

 イ・インチョル領事を先月28日に呼んで21時間に及ぶ調査をした検察は、先週末外交部と国家情報院所属職員を追加調査した。 しかし検察は誰を調査したのかは明らかにできないと話した。 ユン部長は「調査対象が‘増えた、増えない’と断定することはできない。 追加でもう少し確認しなければならない部分はある。 外交部側も調査している」と話した。

 最高検察庁デジタル捜査センターの鑑定結果が出て、国家情報院は「同じ印鑑でも捺印時の力の強弱・朱肉の状態などにより字の太さなどが変わる」と言い逃れたことがある。 これに対してユン部長は「印鑑を捺す力、印鑑の摩耗程度を全て勘案して出てきた鑑定結果」と明らかにした。

キム・ウォンチョル記者 wonchul@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/626613.html 韓国語原文入力:2014/03/03 20:14
訳J.S(1932字)

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