本文に移動

[社説] 三星(サムスン)の‘大学推薦割当制’は再考すべき

登録:2014-01-28 15:15 修正:2014-01-29 06:56

 三星グループが今年の新入社員採用から適用することにした‘大学総長推薦制’をめぐって熱い論議が起きている。論議の核心部分は二つだ。1つは三星が大学別推薦者数を割り当てることによって、大学の序列まで付けているのではないかということで、もう1つはその過程で大学や地域的差別を行っているというものだ。三星はこのような批判が誤解から起きていると釈明しているが、論議は簡単に収まりそうにない。三星は、採用方法の軽率な変更で社会的な論議が引き起こされただけに、いかなる手段をもっても解消策を整えなければならない。

 まず三星が大学別に総長の推薦者数を差別的に割り当てたことは適切でない。これは趣旨はどうあれ、三星が大学別序列を設けたと見ざるをえない。求人市場の絶対的優位者である三星が、特定の大学に何人を推薦してくれと言うことは、三星がその大学をどれだけ評価しているということを意味するためだ。そうでなくても大学の序列構造は韓国教育と韓国社会を歪曲する主犯だとして糾弾されてきた。三星のような超一流企業がこのような序列構造を打ち破るのに寄与できないばかりか、かえって強化する側の制度を導入するのは無責任だ。どうしても総長の推薦を受けたければ、学校側に単位や性格などの基準を示して推薦させ、その大学が基準に満たない学生を推薦すれば不採用にすれば済むことだ。

 論議がより大きくなったのは割り当てられた推薦者数が大学別、地域別に相当の偏りがあるためだ。特に‘三星大学’である成均館(ソンギュングァン)大が最も多い115人の割り当てを受け、女子大と湖南(ホナム)地域の大学の割り当て数が少ないことが、このような論議をあおりたてている。三星は理工系の人材を多く生んでいる大学とそうではない大学を区別したというが、その基準の適合性に疑問を提起する人は少なくない。

 三星は総長推薦を受けても書類選考を免除するだけなので、総長推薦イコール入社ではないと言う。それならばあえてこのような社会的論議を起こしてまでも大学総長推薦制を導入しようとする訳が分からない。職務適性検査の受験者を減らすことが目的ならば、三星がすべての応募者を対象に書類選考して適性検査の受検者を絞り込めば済む話だ。そして総長推薦制による大学序列化の問題を避けるには、グループ全体による公開採用ではなく、各系列会社が各大学の関連学科に推薦を依頼することも手だ。今のような総長推薦制は本来の意図に関係なく、三星が大学序列まで生む結果につながり、割当者数の拡大のために大学が三星にすがるなど、あらゆる副作用を生みかねない。再考を望みたい。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/621639.html 韓国語原文入力:2014/01/27 19:57
訳T.W(1211字)

関連記事