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[クァク・ビョンチャン コラム ] 誰が民主共和国の市民で、誰が王政の追従者か?

登録:2013-11-25 21:59 修正:2013-11-26 07:39
パク・チャンシン元老神父(一番前)と天主教正義具現司祭団全州教区司祭たちが22日午後、全北(チョンブク)群山市(クンサンシ)の寿松洞(スソンドン)聖堂で信者など400人余りが参加した中で‘不法選挙糾弾と大統領辞退を促す時局ミサ’を奉献している。 群山/キム・ポンギュ記者 bong9@hani.co.kr

 今度は正義具現司祭団を利敵団体に追い込んでいますね。 国務総理は北に同調する行為だと規定したし、大統領はすべての分裂策動は容認しないと叱り飛ばしました。 池学淳主教を拘束させた維新政権がそうでしたよ。 チョン・ウォンシク国務総理代行の‘小麦粉侮辱事件’についてあたかも国が台無しになったかのように大げさに騒いだことも思い出します。

 司祭団に対する国賊論争が出てきたので一度確かめてみなければなりません。 事実このような論争はいつもありました。 李明博政権の時、チョン・ウンチャン総理は‘天安(チョナン)艦爆沈説’に疑問を提起する参与連帯に対して‘どこの国の人か’と尋ねましたよ。 今度は延坪島(ヨンピョンド)の私たち国民と国軍に対する北の砲撃事件について中立的な立場で相手の立場で考える姿勢で判断してみようということであったから論議はより大きくならざるを得ません。 すでに司祭団だけでなく司祭団を愛して大切にしてきた人々、複数の司祭団所属神父らと共に行動する団体や政界も従北で断罪しようとする雰囲気です。

 司祭団は1974年、維新政権の暴力性が極悪絶頂の時に結成されました。直接的には池学淳主教の拘束が契機になりました。 池主教は政権が大々的に誇張ねつ造した民青学連事件連座者に金銭的支援をしたという理由で逮捕されます。 これに対して池主教は7月23日良心宣言をします。 "…第一に維新憲法は暴力と恐喝と国民投票という詐欺によって成立したものなので無効であり真理に反する、第二に維新憲法は人間の良心を破壊するものだ、第三に緊急措置1・4号は歴史上最も残酷な自然法蹂躪の一つだ、第四に罪目である内乱扇動はでっち上げだ、第五に非常軍法会議は操り人形だ。" 彼は非常軍法会議で15年の刑に処されます。

 良心宣言の翌日、神父300人余りが参加した中で原州(ウォンジュ)でセミナーが開かれます。 この席の決議はこうでした。 "政治現実に対する意思表示を‘社会救援の原理’に立った司牧行為の一つに広げる。" 3日後、明洞聖堂で天主教正義具現司祭団の名前による初の時局声明が発表されます。 "私たちは人間の偉大な尊厳性と天命を信じる" で始まるこの声明は、批判しただけでも死刑に処されうる維新憲法の廃止と民主憲政の回復を誓います。 それが司祭団が誕生した背景であり司祭団の性格です。 司祭団はその年末までに63回にわたって時局声明を発表し、時局ミサを執典するなど維新政権と正面対峙しました。 司祭団は民主共和国の憲政秩序を守るために誕生し、そのために今まで風餐露宿を躊躇せず、投獄も厭いませんでした。 従って国賊を問い詰めようと言うなら、司祭団は民主共和国大韓民国の市民であり、彼らを抑圧した集団は絶対王政下の維新体制臣民でした。

 韓半島には二つの国があります。 南側には大韓民国が、北側には朝鮮民主主義人民共和国があります。 南北ともに国名や憲法に‘民主共和国’であることを明記しています。 しかし内容を確かめてみればその性格が変わります。 北側は3代世襲が成り立っている封建王朝の性格が強いと言えます。 南側は少なくとも国民が自身の代表を直接民主的に選出する手続きを憲法と法律で規定しています。 最小限の民主共和国としての要件は備えています。 ところで、大韓民国の歴史を見れば、この憲政秩序は不断に試験台に上がりました。 最小限の手順を踏んだ民主主義まで無力化させ破壊しようとする権力集団と、それを阻止しようとする市民勢力間の葛藤と衝突で綴られています。 要するに、南側には真の民主共和政を希求する市民と絶対王朝性格の全体主義体制を指向する集団がいたということです。李氏王朝を夢見た李承晩政権、維新王国を夢見た朴正熙政権がそうでした。

 したがって‘祖国がどこか’という質問の選択肢は、南北の二者択一ではなく、民主共和制と封建王朝型全体主義からの択一でなければなりません。 事実、維新政権は世襲が成り立たなかっただけで、全体主義的性格については北側と五十歩百歩でした。 選択肢をこのようにしなければならない理由は、今この政府の性格のためです。 明確に民主的に選出されたと言うものの、選出過程に致命的な誤りがありました。 国家機関が選挙過程と国民の選択をかく乱しました。 出発がそうであったので民主性を疑わなければなりません。 また、この問題を議論して解決していこうとする過程を暴力的に抑圧しています。 全体主義的指向を表わしているのです。 それで司祭団の祖国を問い詰める彼らにこのように問い直さざるをえません。 そのようなあなたは? 大韓民国民主共和国の国民なのか、封建的維新王朝の民なのかと。

 昨年12月13日、大統領選挙が終結に向かっている間に朴槿恵(パク・クネ)候補は突然に忠北(チュンブク)提川(チェチョン)の舟論(ペロン)聖地内にある池学淳主教の墓地を参拝します。 黒の礼服に白の手袋をはめて献花焼香した後、3分余り黙祷しました。 かなり当惑させられる状況でした。 しかし、それが朴候補の真心から出た、父親の過ちに対する反省だと受けとられました。 維新王政ではなく民主共和国の国民として心がけを新たにしたものだと理解されました。

 ところが分かってみると、まさにその瞬間に国家情報院をはじめとする国家機関らが過去の独裁政権時のように選挙工作を犯していました。 国家秘密文書を歪曲して相手候補に従北の烙印を捺し、インターネットとツイッターを通じてあらゆる中傷宣伝チラシを散布していました。 代表的な内容はこうでした。 ‘1番(朴槿恵(パク・クネ)候補)大韓民国、2番(文在寅(ムン・ジェイン)候補)北韓人民共和国’。 ‘文在寅の主君は金正日’。 あなたの祖国はどこかという暴力的な質問も事実その延長から出たことでした。 不正選挙を問い詰める国会議員に‘従北せずに北に行きなさい’と怒鳴りつけるようにです。

クァク・ビョンチャン論説委員

 大韓民国は国民主権をもてあそび権力を盗んでいく人々の国ではありません。 絶対王政を夢見る全体主義者らの国でもありません。 国民が主人となって、多彩な傾向の多彩な考えの人々が一緒に暮らしていく民主共和国です。 北韓が金氏の王朝だからと言って、南側もまた特定一族と縁戚の国になることにはなりません。 それを夢見る人々こそこの土地を去らなければならない人々です。 ‘元祖司祭団’の前で長く参拝したあなたの正体は何ですか。

クァク・ビョンチャン論説委員 chankb@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/bluehouse/612603.html 韓国語原文入力:2013/11/25 18:36
訳J.S(3059字)

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