米国の国外不法監視盗聴スキャンダルが手のほどこしようもなく広がっている。 今度は米国情報当局がアンゲラ・メルケル ドイツ総理の携帯電話を10年以上に渡り監視盗聴していたと暴露された。 特に米国がドイツなど世界80余ヶ国で不法監視盗聴組織を運営してきた記録が流出し、同盟国との情報共有がカギである米国の‘テロとの戦争’に支障が避けられなくなったという指摘が出ている。
ドイツ時事週刊誌<シュピーゲル>は26日、米国情報当局がメルケル総理の携帯電話を10年以上に渡り監視盗聴していたと報道した。 前職米国家安保局(NSA)契約職院エドワード・スノーデンが提供した機密文書が暴露の土台になった。 この資料を見れば、メルケル総理の電話番号は2002年、当時野党だったキリスト教民主党(CDU)党首時期から米国家安保局(NSA)の‘特別収集サービス’目録に入っていた。 メルケル総理の電話番号は去る6月、オバマ大統領がベルリンを訪問する数週間前までこの目録に載っていた。 ただし米情報当局が通話内容を録音したのか、通話記録だけを把握したのかは確認されていない。
メルケル総理に対する監視盗聴活動はベルリンの米国大使館に用意された不法スパイ支部を通じてなされた。 ここで国家安保局と中央情報局(CIA)職員が先端装備でドイツ政府庁舎を監視盗聴した。 米国はドイツ、フランクフルトでも同様な組織を運営し、ヨーロッパ19ヶ国など世界80余ヶ国に国家安保局と中央情報局の監視盗聴施設があったと<シュピーゲル>が伝えた。 機密文書には「秘密支部が明らかになれば米国の対外関係に深刻な打撃を受けかねない」という米国の憂慮も言及していた。
去る2008年バラク・オバマ当時米国民主党大統領候補がベルリン ブランデンブルク門で演説した時、数万人のドイツ人は前例のない歓呼で彼を迎えた。 しかし<CNN>放送は5年が経過した今、ドイツなどヨーロッパがオバマに「愛想が尽きた」という話で寒々しくなった雰囲気を伝えた。
ドイツは今週、情報機関最高位当局者を米国に派遣して、メルケル総理監視盗聴事態に対する解明と調査を要求する予定だ。 ドイツはまた別の被害国であるブラジルと共に米国のスパイ活動を阻止する国連総会決議案を先頭に立って推進している。
英国<ガーディアン>はドイツとブラジルの国連代表団がすでに決議案の草案作成に入ったと伝えた。 <CNN>放送はフランソワ オランド フランス大統領の言葉を引用しつつ、同盟国の反発を招いた今回の事態が‘テロとの戦争’にとって障害物になるだろうと展望した。 オランド大統領は「情報活動の主な目標はテロ防止と安保維持だが、そのために自身の個人情報が活用されることは誰もが恐れるだろう」と警告した。
米国市民も米情報当局の不法活動に対する‘抵抗の戦列’を整えた。 26日昼、首都ワシントンのナショナル モールでは1000人余りのデモ隊が米国の情報収集活動制限を要求した。
100余りの市民・人権団体会員たちが中心となったデモ隊は、今回の事態を修正憲法違反と民主主義逆行の問題と規定した。 国家安保局の情報収集活動の根拠となる愛国法の撤廃も要求した。 一部デモ隊は米政府が‘背信者’と烙印を捺したスノーデンを支持する手立て札を打ち振りもした。 チョン・ジョンユン記者 ggum@hani.co.kr