本文に移動

[ニュース分析]国家情報院が掻き回す政局…‘政治失踪’長期化

登録:2013-09-08 23:00 修正:2013-09-09 05:31
国家情報院

‘検察総長 身上はたき’疑いも受け
専門家ら "国家情報院改革が急務"

 国家情報院が政局の前面に出る逸脱的状況が数ヵ月にわたり続き、‘政治の失踪’が長期化している。 最近では司正機関の首長であるチェ・ドンウク検察総長の私生活関連のうわさを流した当事者が国家情報院でないかという疑いまで提起され、公職社会と政界では「国家情報院に狙われないよう気をつけなければならない」という気流まで感知される実情だ。 専門家たちはこのような後進国型情報政治を終わらせ、議会と政府が主導する‘正常政治’に復帰する‘非正常の正常化’がなされなければならないと力説している。

 セヌリ党関係者は8日 「内乱陰謀事件が政局を主導する状況で、国家情報院が度々政治の前面に出てくることを党次元で公開的に指摘することは容易でない。 だが(国会が)しなければならないことは多いのに(国家情報院問題で)民主党は院外に出て行き常任委も稼動しない状況に対して議員が苦しんでいる」と話した。 与党内でも国家情報院が政局の前面に登場して政治の役割を無力化させる悪循環が続いては困るという認識が次第に広がっているということだ。

 与党のある要人も「チェ・ドンウク検察総長の婚外子問題が‘国家情報院発’なのか、婚外関係が事実なのかは分からない。 だが、議員の間でも私生活があのような形ではたかれることに対する憂慮がある」として「国家情報院改革が国会で本格議論されれば私生活関連情報を握っていて特定時点に暴露してしまう問題も議論されうるだろう」と話した。 公職者の道徳性検証は必要なことだが、国家情報院が意図を持って流すような情報政治をするのなら、むしろ逆風に吹かれることもあるという批判だ。

 政府スタートの初年度、‘日陰’にいなければならない国家情報院が‘日の当る場所’に出てきて、連日ニュースの‘ヘッドライン’を飾ることは類例を探し難い。 国家情報院は昨年末の大統領選挙を控えて組織的世論操作情況が捉えられ波乱を起こした。 国家情報院は去る5月に発見されたいわゆる‘パク・ウォンスン制圧文書’で政治介入論難を招くや、大統領選挙介入疑惑国会国政調査を控えた6月に突然2007年南北首脳会談対話録を無断公開し政局を揺るがした。 その波動が巷の記憶から遠ざかると、今度はイ・ソクキ統合進歩党議員の内乱陰謀事件を持ち出した。 前・現職の国家情報院長が国会国政調査に呼ばれ組織の縮小・廃止などの改革要求が高まる守勢的状況と絶妙に合致するタイミングだった。 国家情報院が朴槿恵(パク・クネ)政府スタート後の半年間、事実上韓国政治を意のままにしたわけだ。

 野党圏はこれに対抗して国会次元の国家情報院改革などを要求して院外闘争を継続しており、9月定期国会は開店休業状態で跛行を経ている。 だが、朴大統領はすべての政治懸案が国家情報院問題を巡る与野党葛藤に遮られた状況でも、国家情報院に‘セルフ改革’を注文するだけで手を引いてしまった。

 このような渦中に火が点いたチェ・ドンウク検察総長の婚外子報道は、司正と情報にそれぞれ責任を負う検察と国家情報院の組織的葛藤・反目へと広がる兆しだ。 検察内部では今回の婚外子報道の‘出処’を国家情報院と疑う雰囲気が強い。 婚外関係だと目星をつけた人々の出国日、家族関係登録簿、居住地、アパート入居者カードなど、本人でなければ入手が難しい資料を鋭く確保することは情報機関である国家情報院でなくては不可能だという認識のためだ。 検察関係者は「出入国記録、家族関係登録簿などが記事に登場するのに、一介の報道機関が正常な方法で入手できる資料ではないではないか。 国家情報院などが介入したという疑いを持つのは事実だ。 もしそうなら見逃せないことだ。 進行される状況を見ながら厳重対処する」と話した。

 国家情報院の内部事情をよく知る関係者は「報道の出処が国家情報院か否かは分からないが、これを疑う雰囲気だけでも公職社会で国家情報院に触れれば検察総長でもケガをするという信号と受けとめるのではないか」として「国家情報院国内パート業務中の一つがこういう類の情報を収集することだ。 国内情報収集業務を廃止しようと要求する政治家たちも(国家情報院が)何をぶちまけるか分からないので恐れているのではないか」と指摘した。 ある検事長級幹部は「皆が国家情報院を疑っている。 検察総長まで自分たちの意のままに揺さぶったり落馬させるなら、他の公職者はどう思うだろうか。 本当に心配だ」と話した。 検察総長の婚外子関係報道が事実上‘国家情報院の公職者・政治家脅し’効果に連結されているという話だ。 旧中央情報部や国家安全企画部による‘工作政治’を記憶している政界では特定の意図を持つ‘私生活はたき’、‘情報政治’に一層敏感にならざるをえない。 私生活問題は政治生命と直結するためだ。

 もちろん国家情報院は疑いの眼差しを送る検察と政界の見解に対して「とんでもない」と反論している。 国家情報院関係者は「いったい誰がそのような話をしているのか。不快であきれる」と話した。

 それでも専門家たちはこのような非正常的状況を解消するためには、大統領が野党と対話に乗り出して政治を復元し、国会中心の国家情報院改革を急がなければならないと指摘する。 ユ・チャンソン政治評論家は「日陰にいなければならない情報機関が、政治の真中でこのように長い間、色々な事案で政治的論議の対象になった前例はない。 結局このような非正常的状況を正すためには国家情報院改革が必要だ。 大統領が注文したセルフ改革ではなく、政治介入通路を根絶する国会中心の国家情報院改革案が用意されなければならない」と話した。

キム・ナムイル、キム・ウォンチョル記者 namfic@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/602656.html 韓国語原文入力:2013/09/08 22:12
訳J.S(2572字)

関連記事