本文に移動

「国家情報院政治介入糾弾」ロウソク集会 無視を決め込む地上波放送

登録:2013-07-26 17:25 修正:2013-07-26 23:05
19日夜ソウル広場で開かれた「国家情報院大統領選挙介入糾弾民主主義守護ロウソク文化祭」に参加した市民がロウソクを手に歌手グループ の公演を鑑賞している。 イ・ジョンウ先任記者 woo@hani.co.kr

 この一か月、週末ごとに「国家情報院政治介入」を糾弾する大々的なロウソク集会が開かれているが、<韓国放送>(KBS)・<文化放送>(MBC)・SBS等の地上波放送はそれを徹底的に無視し、結果的に“ロウソク消し”に加担しているという批判が出ている。

 国家情報院大統領選挙介入事件に抗議する6月21日の最初のロウソク集会開催以来、地上波放送が夕方のメインニュースで流したロウソク集会報道は僅か4件に過ぎず、それもほとんどが短信だ。 KBSは6月22日と7月6日に“要約ニュース”で「進歩と保守団体の集会が相次いだ」という言い方でロウソク集会の便りを短く伝えた。 SBSは6月22日と28日に「進歩と保守のデモ対立」に焦点を合わせて報道し、MBCは関連ニュースを一件も伝えなかった。 これは2008年の米国産牛肉輸入問題で起きたロウソク集会に比べて明らかに消極的な報道態度だ。 事案の性格は異なる面があるけれども、政権の序盤期に起きた大々的政府批判集会という点と“民主主義”の価値が争点であるという点で、両者はしばしば対比される。

 当時地上波放送は参加人員が5000~1万人ほどの草創期から積極的に報道した。 2008年5月2日ソウル清渓(チョンゲ)広場で初めてロウソク集会が開かれた時、KBSは中継車を出して取材したし、この日<ニュース9>では8番目のコーナーで状況を詳しく伝えた。 当時の集会参加者は1万人程度であった。 MBCはこの日<ニュースデスク>で政界の攻防を扱ってロウソク集会の場面を映像で送り出し、翌日からは4番目のコーナーで集会現場を報道するなど積極的に報道した。 SBSも3番目のコーナーでロウソク集会の便りを大きく取り扱ったし、「オンラインでイ・ミョンバク大統領に対する弾劾の動きが起きている」という便りも伝えた。

 国家情報院政治介入糾弾ロウソク集会は先月21日、大学生の主導でソウル広場で初めて開かれた後、週末ごとにたゆまず開かれ全国的に広がってきた。 7月13日のソウル集会には2万人余りが参加し、今週末にも大々的な集会が開かれる展望だ。 宗教界・市民団体・学界などで時局宣言も相次いでいる。

 放送会社内部でもロウソク集会を無視する態度に対して“全方位的政権庇護”という批判が出ている。 KBS新労組の公正放送推進委員会は最近の報告書で「ソウル都心で2万人余が集まる集会が開かれているにもかかわらず、KBSはカメラすら出て行かなかった。 報道本部では“慎重な接近”を主張するが、“慎重な接近”とは報道しないことを意味するものではない」と批判した。

 当初ロウソク集会の発端となった国家情報院政治介入事件自体を正しく報道しなかったために、ロウソク集会にも沈黙しているという解釈も出ている。 2008年の報道を見れば、当時地上波放送はロウソク集会だけでなくこれを触発した米国産牛肉輸入問題と人間狂牛病のリスク、国民の不安を触発した政府の態度なども幅広く扱った。 MBCは2008年5月2日「昨年まで危険物質は絶対に輸入しないと言っていた政府が、米国との交渉の後に言葉を変えた」と指摘した。 しかし昨年末に火が点いた国家情報院政治介入疑惑に関してはこのように積極的な報道は見出し得ないだけでなく、むしろ<時事マガジン2580>で準備した国家情報院関連報道が放映中止になる事態まで起きている。 MBCのある記者は「報道局内部に『2008年のロウソク集会のようになってはならない』という気流がある。 イ・ミョンバク政府の言論掌握以後、政権の顔色を伺おうとして言論本来の任務を果たせずにいる」と話した。

チェ・ウォンヒョン記者 circle@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/media/597164.html 韓国語原文入力:2013/07/26 09:14
訳A.K(1832字)

関連記事