7月初めソウル南大門路(ナムデムンロ)の大韓商工会議所付近の路上にパトカーが出動した。 「こちらは禁煙地域です」という‘警告放送’が何度も流された。 道端でタバコを吸っていた会社員は急いで周辺の喫煙空間を探して移動した。 近隣建物では大韓商工会議所とHSBCだけに喫煙場所がある。
大韓商工会議所の建物と向き合った新韓銀行は6月に野外喫煙空間をなくした。 新韓銀行広報チーム関係者は「禁煙という社会的傾向と職員の健康のためになくした」と話した。 近隣にあるエスワン、ING、プヨン、SK海運、CJ大韓通運などは野外喫煙空間をなくして久しい。 これに加えて政府が7月1から専用面積150㎡以上の飲食店での喫煙を本格的に取り締まり始め喫煙者のための空間は一層減った。
このような傾向は他の企業も同じだ。 昨年CJグループが社屋から半径1km以内でタバコを吸えないようにし、南山(ナムサン)本社と退渓路(トェゲロ)5街のCJ第一製糖などの系列会社の野外喫煙空間は消えた。 ほぼ同じ時期に南山のLGU+も参加した。
問題は政府と企業のこのような禁煙政策にもかかわらず、喫煙人口が減っていないことから生じている。 喫煙者たちが禁煙を選択する代わりに三々五々ペアを組んでタバコを吸える場所を探しに出かけるいわゆる‘喫煙ツアー’をしているためだ。 彼らによって喫煙空間を維持している企業らが頭を痛めているわけだ。
大韓商工会議所も喫煙者たちが集まる代表的な建物だ。 雨の降る日ならば禁煙区域にまで喫煙者たちが押しかけてきてタバコの煙と悪臭が室内に入り込んでくる場合が多い。 大韓商工会議所キム・ヨンガン総務チーム長は「新韓銀行が喫煙空間をなくした後、私たちの建物に来る喫煙者たちが以前より20%ほど増えた。 そのために喫煙空間と向かい合っている地下1階の食堂街から苦情が出ており、周辺の路上にも吸殻が散らかり困っている」と話した。
それでも大韓商工会議所のように多くの会社が入居していたり多数の企業が会員である建物では喫煙空間を閉鎖することも容易でない。 いわゆる‘共有地の悲劇’というわけだ。 企業が自社社屋の清潔や社員の健康のために喫煙空間をなくした代わりに、喫煙者たちが多くの会社が一緒に使う‘共有地建物’へ移動してまた別の問題を産んでいるわけだ。
また‘風船効果’が恐ろしくて喫煙空間をなくせないケースもある。大韓商工会議所関係者は「喫煙空間を完全になくせば、会議室や階段などでタバコを吸う恐れがあって、なくすことも難しい」と話した。
イ・ジョンフン記者 ljh9242@hani.co.kr