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[社説] キム・キュヒョン外交次官の不適切な ‘自民党大勝’ 発言

登録:2013-07-20 22:31 修正:2013-07-21 07:38

 駐日大使館の新庁舎開館式に参加するために日本を訪問していたキム・キュヒョン外交部第1次官が18日、日本外相を表敬訪問した席で‘自民党の大勝’を祈る発言をして物議をかもしている。キム次官はこの日、約束より遅れて来た岸田文雄外相が "参議院選挙の行事で遅れました。申し訳ありません" と言うと、"構いません。今回の参議院選挙で(自民党が)大勝することを期待します" と話したという。両国関係と国民感情をあまねく考慮して慎重に対応しなければならない高位外交官僚として非常に不適切な言動といわざるをえない。

 外交部は‘自民党大勝’発言は相手に気を遣った社交辞令だと弁解した。さらには、キム次官は "相手に会ったときは社交辞令で会話を進めていくのが外交の基本" と話した。世間を惑わすような弁解だ。言葉で国益を争う外交の現場では状況によってわざと厳しい言葉も辞さない時がある。必ずしも社交辞令ばかり言うことが外交ではない。

 キム次官の今回の発言は二つの点で不適切だった。一つ目は朴槿恵政府の対日政策基調と全く合わないということだ。朴槿恵大統領は過去の歴史に対する安倍晋三総理の退行的な言動を問題にして、首脳会談の日程さえ予定していない。ユン・ビョンセ長官も4月に日本を訪問して外相会談をすることにしていたが、麻生太郎副総理らが靖国神社を参拝すると急遽訪日予定を取り消した経緯がある。しかも安倍政権が21日の参議院選挙で圧勝した場合、右傾化・軍事化の道を一層加速化すると予測されている。このような状況の中で出たキム次官の自民党大勝発言は、日本政府にあたかも私たちが安倍政権の時代錯誤的な退行的政策を容認しているという誤ったサインを送りかねない。

 二つ目は色々な政党が争う選挙で、わが政府が自民党に肩入れしている印象を与えたという点だ。自民党に反対する政党や市民が内政干渉と受けとめても返す言葉がない非外交的言動だ。外交部はキム次官をかばうことだけに汲々とせず、この際、我々が日本に送りたいメッセージが何かをはっきりと明らかにすることを望む。それこそがキム次官の失言を収拾する最善の道だ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/596394.html 韓国語原文入力:2013/07/19 18:54
訳T.W(1016字)

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