イスラエルは我が国の半分水準の国防費で中東3億の人口を相手に完ぺきに近い自主国防をしている。 単に核兵器を保有しているという点でイスラエルが自主的防衛戦略を駆使しているわけではない。 小さな規模の軍事力を現代的に改善し、効果的に運用する彼らの革新力量は我が韓国軍にはまったく見出だしがたい長所だ。 ナポレオンは 「軍隊は10年ごとに戦略を変えなければならない」と言った。 時代の変化に合わせて軍事力を改善しながら変化を企画できない軍隊は、いくら金を注ぎ込んでも常に負ける戦争をすることになっている。 このような教訓のためにすべての国は現代的な軍事戦略を開発して軍の革新にまい進している。 これを軽視したフランス軍は同じ水準の国防費を投じても2次大戦でドイツ軍に不甲斐なく敗れた。
ちょうどそれと同じおかしな軍隊が韓国軍だ。 戦闘機がソウルから飛び立てば5分で平壌(ピョンヤン)に到着するこの狭い戦場で‘120日戦争計画’という非現実的な作戦計画を未だ守っていて、各種の重複と非効率的な機構の乱立、指揮体系の複雑性ゆえに大切な国防予算がジャブジャブ漏れ出る、そんな軍隊が韓国軍だ。 全軍の中佐・大佐の内、進級適正時期が経過して働かない人員が30%に達するかと思えば、1990年‘818計画’で標ぼうした "軽快で手軽な軍構造への改善" という趣旨は、23年が過ぎた今でも具現されえず、むしろ反対に放漫に拡張されてきた。 このような軍隊が勝つ戦争をするということ自体が変ではないか? 2010年の天安(チョナン)艦と延坪島(ヨンピョンド)砲撃事件でそのような不吉な兆しはすでに現れていた。 そのように殴られても依然として改革しない韓国軍だ。
そして軍を改革しようと言えば、「国防予算が足りなくてできない」と言って居直る。 戦時作戦統制権の返還を今回再び延期しようという発想も同じ脈絡だ。 その主な口実は「国防予算が足りなくて計画された戦力増加が達成できなかった」、「まだ韓国軍は戦闘指揮をする能力が不足している」、「北韓が核とミサイルの脅威を加重させた」というなど、本当に外部に公開することさえ恥ずかしいものなどだ。 そのために自国軍隊を戦闘指揮することさえできない状態ならば、今まで国防部が「自衛権次元で北核ミサイルに対する先制攻撃」、「北韓指揮部打撃」、「積極的抑制」を口にしてきたことはいったい何か? 能力もなく準備もできずにいながら、そのようなむだな強硬発言は何故したのか? なぜこのように我が軍事指導者は口数ばかりが多く格好ばかりがつけて、何か歴史を作る重要な時期には後退ばかりしているのか?
朴槿恵(パク・クネ)大統領は去る大統領選挙で 「韓-米間で合意した通り、戦作権転換を支障なく推進する」と公約したし、選挙後の業務引継ぎ委員会時期にキム・ジャンス安保室長も同じ発言をした。 ところが今の言論の報道は、朴槿恵政府が裏では米国に戦作権転換延期交渉を行いながら、また一方ではキム・クァンジン国防長官が‘韓-米連合司令部存続論’という実現不可能な案をまき散らして世論を糊塗しようとしたという話だ。 勝つ自信がない軍事指導者の自己保身のための卑屈な行動であり対国民詐欺だ。 自身の言葉を実践する自信がないならば、長官、議長、総長、司令官が退くことこそが安保のための最善策だ。
作戦権を還収しようと言った1987年の大統領選挙から26年が過ぎたこの期に及んで、何も変わったものがない陳腐な軍隊が未だに色々な口実をならべても聞きたくない。 ただ米国に対する依存心理に飼い慣らされているので、彼らは改革もできず韓半島情勢を主導することも難しい。 何かをしてみるという精神が備わっていないため、彼らに発展を期待することも難しい。
キム・ジョンデ<ディフェンス21プラス>編集長