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93才の患者に「出て行かなければ損害賠償訴訟」と圧迫する慶南道

登録:2013-05-31 16:07 修正:2013-06-01 07:32
慶南道(キョンナムド)が30日退院命令を出した晋州医療院入院患者チョン・某(93)おばあさんが、この日晋州医療院8階の老人療養病院で看護師に助けられてベッドに横になるところ。 チョンおばあさんは脳梗塞で痴呆と糖尿、高血圧などのため2011年9月8日晋州医療院に入院した。 チョンおばあさんの家族は「晋州医療院から追い出されるような形では出て行かない」として慶南道に抗議した。 晋州/イ・ジョンア記者 leej@hani.co.kr

 慶南道が晋州医療院に入院している患者3人に30日退院命令を下し、拒否すれば損害賠償請求訴訟を起こすと明らかにした。 前日晋州医療院の廃業を発表した際には「医療院に残っている患者の診療は継続する」と約束しておいて、これを覆したのだ。

 慶南道はこの日晋州医療院に入院している患者3人とその保護者に退院命令を公文書で発送したと明らかにした。 慶南道は「この患者たちの診療費と栄養士・調理士の人件費、水道・電気・ガス・通信料金など管理費が1人当り一日52万ウォンに達する。 直ちに退院しなければ来月3日損害賠償請求訴訟を起こす予定」と言った。 晋州医療院8階の老人療養病院にはソン・某(83・女)、チョン・某(93・女)、チョン・某(74)氏の3人が入院している。 脳梗塞、脳出血などによる痴呆と糖尿などを病む人たちだ。

 慶南道の担当者は「担当医師から、他の病院に移しても問題がないという所見を受けた。 チョンおばあさんとチョンおじいさんは慶南道が29日解雇通知をした晋州医療院の看護師と名誉退職した看護師の家族だ」と話した。

 慶南道は患者が望むならば転院する病院を当たるなどの便宜を提供するというが、患者の保護者は、病院から出て行かなければ損害賠償訴訟まで提起するというのは病が重い患者を追い出す処置だと反発した。 ソンおばあさんの息子(58)は「あってはならないことだ。 最後の一人の患者までも責任を負うと言っていた慶南道がこのように出てくるならば、私も最後まで頑張る」と言って抗議した。 チョンおじいさんの息子(45)は「経営の失敗から生じた問題を患者に押し付ける慶南道が問題ではないのか。ほかの病院へは移さない」と話した。

 これと関連して保健福祉部関係者は「病院あるいは医師が患者に退院命令を下すことのできる根拠は現行医療法上ない。 ただ、医療現場では病院が廃業や業務停止などで門を閉めることになった場合、患者に対し転院措置をとっている」と話した。

 全国保健医療産業労働組合は「患者が別の病院に移ることは全面的に患者と保護者が決める問題だ。 患者を送りだしてから公権力を投じて組合員を追い出そうという慶南道の魂胆が見え透いている」と明らかにした。

昌原(チャンウォン)/チェ・サンウォン記者、キム・ヤンジュン医療専門記者 csw@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/area/589779.html 韓国語原文入力:2013/05/31 00:17
訳A.K(1339字)

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