29日に慶南(キョンナム)晋州(チンジュ)医療院を廃業すると発表した慶南道が、すでに48日前に晋州医療院理事会を開いて廃業を議決しておきながら廃業発表前日までこの事実を隠したまま「理事会はまだ開いていない」と嘘をついていた事実が明るみに出た。 ホン・ジュンピョ慶南道知事は、廃業を決めた後に晋州医療院正常化のための労使対話を約束するという“姑息な手”まで使った。
パク・クォンボム晋州医療院長職務代行はこの日の午前、慶南道庁プレスセンターで記者会見を行ない「晋州医療院を本日廃業し、晋州医療院職員も本日解雇する」と発表した。 パク院長代行は晋州医療院職員たちに携帯メールで解雇を通知し、晋州医療院の建物から出て行くよう要求した。
彼は「先月12日晋州地域で晋州医療院招集の理事会を開き、晋州医療院の廃業を決めた。 当時は廃業日時を確定せず、去る22日書面で理事たちから29日廃業の同意を集めた。 理事会には理事8人全員が参加し、廃業に反対した人はいなかった」と話した。
晋州医療院が廃業をするには「慶尚南道晋州医療院定款」により理事会議決を経なければならない。 慶南道は28日までも「理事会は開いていない」と嘘をついていた。 パク院長代行は「保安が必要だったため」とだけ話した。 慶南道は廃業発表後にも、これを裏付ける「理事会議決書」等、廃業関連資料の公開を拒否した。
慶南道が理事会を開いて廃業を議決したという先月12日は、慶南道議会文化福祉委員会がいわゆる「晋州医療院解散条例案」を審議した日だ。 当時文化福祉委の与野党慶南道議員は道議会で小競り合いをして対峙し、セヌリ党所属道議員らは深夜に暴力を行使して案件を抜き打ち採決した。 慶南道の発表どおりならば、晋州医療院理事会は慶南道議会常任委員会が条例案を審議する以前に廃業を議決したことになる。
ユン・ハンホン慶南道行政副知事は先月23日、廃業を一ヶ月間留保して正常化のための労使対話をすることでユ・ジヒョン全国保健医療産業労働組合委員長と合意し、ホン知事はこの日記者会見を行なってこの内容を確認した。 しかしパク院長代行らは労組側の正常化方案を拒絶するだけで、自らはただの一度も正常化方案を提示しなかった。 パク院長代行が労使対話期間の最終日である22日に廃業日を決めた事実が明らかになったことにより、一ヶ月間の 労使対話を “時間稼ぎ”で一貫した理由が明らかになった。
すでに廃業を決めた後に労使対話を約束した理由について、ホン知事はこの日午後慶南道庁道政会議室で開いた記者懇談会で「晋州医療院労働組合員が(先月16~23日)慶南道庁別館屋上の鉄塔に上がって高空籠城を行なったので、彼らの健康を考慮しないわけにはいかなかった。 それで労組と対話を試みるようにと指示した」と答えた。
昌原(チャンウォン)/チェ・サンウォン記者 csw@hani.co.kr