"三星(サムスン)、死亡事故なかったならば…"東灘（トンタン)住民たち憤怒
説明会で事故隠蔽など問い詰め
"フッ酸漏出現場のCCTV なぜ公開できないか"
近隣学校も冬休み延長
三星(サムスン)側、真相究明要求会見を阻み
警察に２日後になって一部資料を提出
5人の死傷者を出した三星(サムスン)電子華城(ファソン)工場フッ酸漏出事故がおきて四日目の30日、会社側の不十分な初動対処と事故縮小・隠蔽の便りが伝えられながら、近隣住民たちの不安感はより高まっている。 京畿道(キョンギド)華城市の三星電子華城半導体工場近隣の東灘(トンタン)新都市住民たちはこの日夜7時頃東灘1洞住民センターでチェ・インソク華城市長と26団地の代表者など住民100人余り、三星電子関係者が参加した中で開かれた説明会で三星の流出量縮小と事故隠蔽疑惑、のろま対処を問い詰めた。
三星電子華城工場キム・テソン専務は「住民たちに心配をかけて申し訳ないが、流出量は極微量であり外には出て行かなかった」として既存の立場を維持し、住民たちは「それでは事故現場を記録した閉回路画面(CCTV)をなぜ公開できないのか」 と要求した。 この日の説明会は住民たちが三星電子に直接事故の経緯と安全性に関する説明を要求して開かれた。
東灘1洞入居者代表協議会イ・ミンソク(51)会長は「三星電子が原因糾明とシステムに穴が空いていた事実を認めることから始めるべきで、誤りを隠して対策云々することは話にならない。 死亡事故がなかったならば一切公表せずやり過ごしていただろう」と声を荒げた。
華城工場から数百m余離れたＢアパートで会った住民Ｋ(65)氏は「事故に先立ち私たちは数年前から工場から出る化学薬品の臭いのために鼻炎と皮膚炎などで苦痛を受けてきた。 ずっと改善を要求してきたら昨年の今時分、三星電子から全住民に海苔ギフトセットを配り口止めしようとした」と話した。
三星電子華城工場から目と鼻の先の華城市(ファソンシ)半月洞(パヌォルトン)のヘオルム幼稚園はひんやりとするほどだった。 幼稚園は普段ならば園生330人の騒ぎ声で騒々しいはずだが1階は灯が消えたまま静かだった。 幼稚園には共稼ぎ夫婦の子供40人は登園したが教育活動は室内に制限した。 ある教師は 「明日まで休園にしたのだが今後どうなるかは分からない」と話した。 ここから500m余り離れたチャヨン幼稚園のパク・ソンヒ園長は「午前中に父兄から‘不安なので子供は休ませます’という話があった」と語った。
三星電子華城工場から半径2.8km以内に位置した小中学校1校が冬休みを延期するなど不安感は同様だった。 ファン・ビョンドク礼堂小学校校長は "漢江(ハンガン)流域環境庁に疫学調査を要請したがフッ酸が工場の外には漏出しなかったとして受け入れなかった。もうすぐ冬休みも終るというのに、安全なのかどうか分からなくて心配だ" と話した。
三星側はしかし事件の真相究明を要求する市民団体の記者会見を物理力を動員して阻むかと思えば、警察の事件関連資料提出要求にも応じなかった。 京畿地域市民社会団体会員20人余りが午前11時頃、三星電子華城工場正門で記者会見を行おうとしたが、三星側はバリケードを張り保安要員100人余りを動員して彼らを阻み小競合いが起きた。 警察は消防出動・巡回査察・応急護送などの日誌をはじめ事件の再構成に必要な資料を要求したが、三星は２日にわたり提出に応じず、30日午後になって一部の資料だけを提出した。
警察は一次として協力業者職員4人の調査を終えたのに続き、三星電子安全管理チーム部長とチーム長など6人を呼び事件隠蔽と縮小の有無などを調査している。 警察はまた正確なフッ酸漏出量を把握するために国立科学捜査研究院に建物内部で捕集した空気と亡くなった作業者のジャンパー、フッ酸タンクについていたバルブなどに対する精密鑑識を任せ、事故当時の現場閉回路録画画面の提出を受け正確な事故経緯を分析中だ。
最高検察庁公安部はこの日全国検察庁に有害化学物質管理・監督実態を精密点検して事故予防のために合同取り締まりを実施するように指示した。 検察は重大な過失がある事業主に対しては拘束令状請求を原則として捜査を進める方針だ。
華城/ホン・ヨンドク、キム・キソン、キム・ジョンピル記者 ydhong＠hani.co.kr
訳J.S(2054字)