不法な監察にも道を開く
国務総理室公職倫理支援官室(支援官室)がひたすら李明博大統領一人のために存在したという事実は支援官室文書のあちこちにあらわれる。 2008年7月に新設された支援官室は外形的には国務総理室所属で総理に報告するようになっていたが、実際には‘秘密ライン’を通じて李大統領に報告する‘二重組織’だった。 ‘公職倫理支援官室の業務推進指揮体系’という文書(いわゆる‘一心忠誠’文書)を作成する前に作られた草案を見れば、彼らは自らを‘身を隠した主君の秘密ライン組織’と規定していた。 大統領府で‘主君’に仕えなければならないが、総理室に‘身を隠して’いるという意だ。
支援官室職員は2009年2月19日、京畿道(キョンギド)楊坪(ヤンピョン)ぼハンファコンド(ミニアム)でワークショップを行った。 この日、提案用にチン・ギョンナク当時企画総括課長が準備した文書には李大統領に対する称賛が書かれていた。 「MBは歴史的選択か?」という問いに「イエス(Yes)。 経済だけが市場主義ではなく政治社会文化も市場主義原理が作動。 その時代環境がその政治、その社会を選択」と書いた。 また「MBはどんな人か?」という問いには「誰も行ったことのない道を切り拓いた人。 経済危機の瞬間に選択され、それで経済を生かしさえすればMBは成功する」と書いた。
また、チン課長は「監察と政策はバランスをとって行かなければならない」と主張して「監察は自信を持って、合法ばかりに固執せずに要領よく、どんな行為も…内攻と威厳で制圧」せよと助言した。 李大統領の成功のためには手段と方法を選ぶなという話と聞こえる。 ワークショップには支援官室の‘秘密ライン指揮部’であるイ・ヨンホ大統領府雇用労使秘書官とチェ・ジョンソク行政官も参加した。
同年4月支援官室は‘公職倫理支援官室運営刷新方案’という報告書を作成した。 報告書には「忠誠心と実力を兼ね備えた組織として新たに出て、4大河川整備事業などMB政府の‘トーレードマーク’政策がきちんと推進されるよう支援する」という内容が含まれている。支援官室はそのためにすべての職員が「李明博政府の成功のために‘熱’と‘誠’をつくす」という忠誠誓約を作成し提出した。 この他にも支援官室は自らを‘李政府と運命を共にするコア・グループ(Core Group・核心組織)’、‘ひたすら忠誠心一つで私心なく仕事が出来る(組織)’と明らかにしている。 ファン・チュンファ記者 sflower@hani.co.kr