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政権交替世論強いのに '政権審判論' 失踪した大統領選挙

登録:2012-11-28 22:57 修正:2012-11-29 12:58
李明博大統領(右)が9月2日大統領府を訪問した朴槿恵セヌリ党大統領候補と握手している。 大統領府カメラマン団

 文在寅(ムン・ジェイン)民主統合党候補は28日朴槿恵セヌリ党候補を‘MB政府パートナー’と規定して‘失政共同責任論’を提起した。‘参与政府審判論’を提起した朴槿恵候補を‘維新独裁の残滓’と規定し‘朴正熙 対 盧武鉉’構図でフレームが組まれるや方向を修正したのだ。

 文候補は大田(テジョン)駅遊説で李明博政府を‘0点政権’と規定し 「朴槿恵候補にも共同責任がある」と話した。 朴候補は忠南(チュンナム)洪城(ホンソン)遊説で文候補を‘失敗した過去政権の最高核心勢力’と名指しし前日に続き‘参与政府審判論’を続けた。

 セヌリ党は‘朴正熙の娘 対 盧武鉉の秘書室長 対決’として選挙構図が組まれることを内心では歓迎する雰囲気だ。 ‘朴正熙 対 盧武鉉’で行けば、不利にはならないと見ているわけだ。 朴槿恵キャンプのチョ・ヘジン スポークスマンは 「文候補がそのように構図を作ることを拒む理由はない」と話した。

 セヌリ党内部で敬遠するのは、むしろ‘李明博政権審判論’の復活であるようだ。 選挙は本質的に現政権に対する評価と審判の意味を帯びているためだ。 歴代大統領選挙でも‘政権審判論’は威力を発揮した。 しかも李明博政権に対する民心は苛酷な方だ。 各種世論調査でセヌリ党再執権に反対するという応答が55~60%を上回っている。 選挙が‘李明博政府審判か参与政府審判か’という方向に流れれば、朴候補としては困惑せざるをえないものと見られる。

 今回の大統領選挙で政権審判論が浮上しないのはいくつか理由がある。 先ず、朴槿恵候補が去る5年間、李明博政権と距離を置いているように見せることに精魂を込めたことが功を奏した。 朴候補は李大統領が押しつけた世宗(セジョン)市修正案に強く反対することによって‘現政権に批判的’というイメージを確保した。 これを通じて‘朴槿恵≠李明博’、‘セヌリ党≠ハンナラ党’という認識を強く広めた。 しかし朴候補は李明博政府が推進した各種政策に傍観する形で事実上同調したという指摘も多い。 18代国会で強い凝集力を持つ親朴系議員をテコにして、現政権の政策にブレーキをかけたが朴候補が知らぬフリをしたということだ。

 民主党の戦略不在も一役買った。 朴候補が‘参与政府失敗論’を提起すると民主党はこれを防御するのに汲々とした姿を見せた。 文在寅候補キャンプに参加した政界の重鎮要人は「大統領選挙を目前にした定期国会で、朴槿恵候補と李明博大統領を共同責任論で括るべきだったのに、民主党にはそのような考えと戦略がなかった」と話した。 去る4・11総選挙当時‘イ・ミョンバク・クネ’というスローガンを提起したが、民主党の公認失敗と無能のために総選挙勝利を引き出せなかったことも民主党の動きを封じた。 文在寅キャンプで戦略企画を担当するある要人は「今からでも朴槿恵候補に李明博政府の失政について一つ一つ意見を問う中でその評価を受けさせる作業をしてゆく」と話した。

イ・テヒ記者 hermes@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/562928.html 韓国語原文入力:2012/11/28 21:44
訳J.S(1527字)

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