‘政治権力化’ した最高検察庁中央捜査部
文在寅・安哲秀候補は "廃止" を主張
キム・クァンジュン(51)ソウル高等検察庁検事がわいろ授受の疑いで拘束されたことを契機に、過度な検察権力の分割と牽制装置を要求する声が噴出している。 検察が
■捜査・起訴分離、地方検事長 直選制導入を要求
今のように検察が捜査権と起訴権を独占した状態では、キム・クァンジュン検事のような不正がいつでも起きるということが今回の事態が見せてくれた最も大きな教訓だ。 韓国の検察は起訴独占権と捜査権を同時に持っている‘リヴァイアサン’(旧約聖書に出てくる地上最強の怪物)のような組織という指摘も出ている。
捜査権-起訴権の分離は長年の課題であり、最もたやすい解決策として提示されている。 ハ・テフン高麗(コリョ)大法学専門大学院教授は「窮極的には捜査権と起訴権を分離しなければならない。 段階的に、検察不正や民生問題は検察の指揮を受けずに警察が捜査できるようにする方案がある」と話した。 イ・ジンヨン参与連帯司法監視センター幹事は「大統領および政権によって任命される検察総長を首長とする組織を、地域単位に分けて、地方検事長直選制を通じて政治権力からの独立性を確保しなければならない」と指摘した。
■押収捜索令状は警察が直接請求
キム検事不正事件のように、検察の‘許諾’を得ずに警察が捜査を進行できる手段は現時点ではない。 警察がキム検事の本人実名口座を確認するために申請した口座追跡令状を検察が差し戻した事例が代表的だ。 ソ・ボハク慶煕(キョンヒ)大法学専門大学院教授は「押収捜索令状請求権を警察に付与し、送検前までの警察捜査の自立権を保障しなければならない。 検察を通じて警察の権限乱用は統制できる」と話した。 日本では人身を拘束しない口座押収捜索などの物的強制捜査に対する令状請求は警察も行えるようになっている。
検察の起訴独占権が持つ弊害を補完するために導入した裁判所の裁定申請制もやはり今回弱点があらわれた。 キム検事が金品を受け取り無嫌疑処分した疑惑を受けている前職国家情報院夫婦の恐喝事件のように、裁判所が裁定申請を受け入れて強制的に公訴提起をした以後にも検察は法廷に出て行き被告人の無罪を主張し、関連証拠を提出しないなどの公訴妨害を行うのが今の現実だ。
■大統領選候補らも検察改革には一致して前向き
文在寅(ムン・ジェイン)民主統合党候補と安哲秀(アン・チョルス)無所属候補は検察総長の‘直轄部隊’である最高検察庁中央捜査部の廃止を公約として掲げた。 政治的意図で行われる下命捜査を防ぐという意図と解説される。 これと共に安哲秀候補は検察と法務部の分離を主張し、文在寅候補は検察の法務部派遣禁止方案を出した。 朴槿恵候補は最高検察庁中央捜査部の廃止には否定的な立場だが、常設特別検事制と検警捜査権分占を提示した。 常設特検の権限が強まれば、あえて最高検察庁中央捜査部を廃止しなくとも検察を牽制できるという論理だ。
検察・警察の捜査権調整問題も検察権限を縮小する方向での変化が予定されている。 朴候補は‘合理的な捜査権分占推進’、文候補は‘民生犯罪など軽い犯罪を手始めりに警察に独自捜査権付与’、安候補は‘検察の直接的捜査権大幅縮小’を公約として掲げた。
■検察内部 "検察市民委員会 法制化"
検察内部でも国会と市民の統制など改革を要求する声が強い。 匿名を要請した検察高位幹部は「検察の人事と予算を独立させて、大統領府の顔色をうかがう必要をなくした後、法務部長官ではなく検察総長が国会に出て行き議員の質問に答えなければならない。 検察市民委員会を法制化して国会と市民の統制を受けるシステムを備えなければならない」と話した。
パク・ヒョンチョル、イ・ジョングク、キム・ジフン記者 fkcool@hani.co.kr