去る26日ナロ号第3次発射が延期された時、小さな部品の破損による中断と発表された。韓国とロシアの技術陣は国際機構に予告した期限(31日)までには再発射がなされるだろうと見込んだが、そのような予想は翌日には変わった。破損した部品のためなのか、でなければロケットの問題なのか、更に確認しなければならないという話だ。従って再発射は相当に遅れる展望だ。第1,2次の発射失敗を見守っていた国民の失望感は小さくない。しかしそうした針のむしろの中でも慎重を期そうとする技術陣の態度をとがめてはならない。
問題は1段ロケットと発射台の連結部位の気密維持用材料であるシールがなぜ破損したのかだ。もともと不良品だったのか、でなければロケット側の連結ポートに隙間が生じて破損したのか。製品が不良だったなら交換すれば良いが、連結ポートに隙間が発生したためなら話はややこしくなる。一部の専門家が言うようにエンジン内部に問題があったとすればさらに複雑だ。発射台に立てる前の組立棟で2回点検して、最終リハーサルまで行ったのであるから、このような疑問は当然だ。すべての可能性を考慮して原因糾明に乗り出さねばならない。
発射延期はよくあることだ。わが国の初めての静止軌道衛星である「千里眼」は、昨年4回の延期の末に発射に成功した。実際、簡単に成功するよりは何度も失敗するほうがより多くの教訓を得ることもある。ナロ号もやはりこれまでに5回の発射延期と2度の打ち上げ失敗を経験して、その過程において一度の成功で終えた時には得られない多くの情報と経験を確保した。
再発射を急いではいけない。今回が契約上の最後のサービスだ。正直いって第1次の時に確認されたペアリング問題や、2段ロケットの完成度を点検する機会はなかった。今回もロケットに問題が生じるならば、我々が最小費用で製作したものを点検できなくなる。急ごうとするのはロシア側であろう。一度発射する度に最高級技術陣170人余りと各種保安要員など数百人が投入される。日程が長くなるほど、民間業者であるフルニチェフ宇宙センターとしては莫大な費用を心配せざるをえない。したがって国民の目を意識したり、ロシア側の催促に押し切られたりしてはいけない。
特に警戒するべきは政治的干渉だ。昨年12月、今年10月に第3次発射時期が決定された時、議論が紛糾した。大統領選挙を目前にした時期であるためだ。ナロ号のような超大型プロジェクトは選挙に大いに影響を及ぼす。今、最も重要なことは原因糾明だ。経済的(費用)あるいは政治的(大統領選挙)を背景に、この部分を疎かにして再発射げを急ぐことがないことを望む。