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[社説] ‘記録大統領’を‘史草破壊’に追い詰める居直り

登録:2012-10-24 09:03 修正:2012-10-24 09:26

 セヌリ党が、盧武鉉前大統領が退任を控えて大統領府文書目録の廃棄を指示したという疑惑を提起し大々的な攻勢に乗り出した。 盧前大統領が歴史に残る史草を破壊したということだが、大統領記録物の保全に誰よりも先頭に立った盧前大統領に対する居直り式冒とくだ。

 セヌリ党は昨日緊急最高委員会を開いて‘盧武鉉政権領土放棄真相特別委’を‘盧武鉉政権領土放棄および歴史廃棄真相調査特別委’に拡大して国会で真相究明と対策を議論することにした。 盧前大統領が2007年5月に記録物関連会議を主宰し文書目録を削除したり非公開とするよう指示したということが攻勢の根拠だ。 セヌリ党は「盧前大統領が5000年の歴史上、最初の歴史廃棄大統領という非難を免れないだろう」と叫んだ。

 セヌリ党の主張は大統領記録物を巡る事実関係からその基本趣旨まで全てを歪曲したものだというのが当時の大統領府関係者たちの証言だ。 問題にされている2007年5月の盧前大統領発言は大統領記録物保全方案を議論する過程で出た。 大統領記録物は公開、非公開、指定記録物に分かれるが、指定記録物は1級秘密またはそれ以上を記録したもので、15年から30年まで公開できないようになっている。 盧前大統領は非公開と指定記録物も後代のために目録は作成するものの非公開として括るようにした。 これは公務員たちが自身が作成した文書が後に政治争点になることを心配して最初から記録を残さないようにする弊害を最小化するためのことだった。

 盧前大統領のこのような措置は後代のために史草を最大限に多く残そうという意であったことは言うまでもない。 5年在任した盧前大統領が、825万件余りの記録物を残したのに比べ、それ以前の55年間に8人の大統領がわずか33万件余りの記録物を残したことがそれを如実に示している。 大統領記録物管理法をきちんと整備した人も盧前大統領だ。 セヌリ党が盧前大統領のこのような意を見ずに史草を破壊した大統領に追い込むのは大統領選挙に目が眩んだ無責任な政治攻勢に違いない。

 セヌリ党が正修奨学会問題で窮地に追い込まれるや西海(ソヘ)北方境界線(NLL)と大統領記録物問題で突破しようとしているようだが、ややもすれば自分に戻ってくるかもしれない。 退任を控えた李明博大統領の記録物は去る4年間に54万件余り、1年に平均13万5000件で参与政府時期の1年平均40万件の半分にも至らないという。 自らは記録物をまともに残さずにおきながら他人のことにケチをつけ選挙に利用しようとすることは政治道義上容認し難いことだ。

※史草:公式的歴史編纂の資料となる記録

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/557111.html 韓国語原文入力:2012/10/23 19:21
訳J.S(1219字)

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