原文入力:2011/11/04 20:18(2372字)
キム・ジョンチョルの日本田舎文化旅行 ① 高畠駅
手ぬぐいが2本…一本は水気を拭き取り、一本は隠すため
堂々と出して闊歩する韓国人とは違い
←高畠駅改札口そばの温泉 広報施設と入口が人目を惹く。
日本の田舎旅行は魅力的だ。東京や大阪のような大都市では感じることのできない田舎だけの粋とロマンでいっぱいだ。ますます消えいく日本の伝統文化を体験しやすいところであり、異色な場所とおもしろい見どころとイベントが揃っている。 特に去る3月に大地震の被害をこうむった東北地域は自分だけの旅行地を求める人に理想的な場所だ。
←高畠駅の中の温泉入場券自販機. 入場料は300円.
子犬が駅長を務める田舎の駅
駅は思い出の空間だ。駅は去る人と入る人が交差し、出会いと別れが反復される場所だ。それで日本田舎旅行のスタートは駅から始まると言っても過言ではない。世界最高の鉄道インフラが構築された日本は、田舎を旅行してみればそのことの意味を知ることになる。移動の便利さ、独特の文化空間であり多様な人々の施設を備えており、輝く異色なアイテムを持った駅が多い。ウサギや子犬が駅長を務める田舎の駅もあり、小さな駅舎から外に出て行くのに1.5秒あれば可能な無人駅まで多彩だ。
田舎旅行でこういう駅の一つ位は必ず行ってみる必要がある。山形県の米沢駅で奥羽本戦に乗り二区間を乗った。目的地が近づくと列車がゆっくり線路を滑って入る。窓の外に‘高畠駅’の案内板が見える。余裕のある空気が感じられる閑静な田舎駅だ。改札口を出るとすぐに駅舎の外に出るが、右へ視線をさっと巡らすと何かが目に入ってくる。この駅の特徴を要約した広報文だ。高畠駅には非常に特別なものがある。驚くべきことに温泉だ。駅の中にある温泉、日本は温泉天国だが駅の中に居座る温泉は多くない。
←温泉の入場料と別にロッカー使用料100円、ゲタ箱使用料100円を出さなければならない。
新しいことに接すれば旅行の面白味が増える。1秒の迷いもなしに温泉体験のためにすぐに入場した。自販機にコインを入れてチケットを取る。料金は300円だ。異色体験としては安いという思いに笑みが出る。中に入れば追加料金がつき始める。 ゲタ箱使用に100円、さらに中に入ればロッカーが100円だ。合計500円、もう安いのか高いのかわからない状況だ。もう一つ、タオルをあらかじめ取ってこないとさらに200円使わざるを得ない。タオル自販機がすみに席を占めていた。あらかじめ持ってくれば節約できる。 時間が余っていて一銭でも節約したいならタオルなしでからだを乾かす方法もある。私はこちらでの生々しい記憶を残すために水気を時間でぬぐい取った。
←高畠駅内温泉には二つの湯槽がある。その中の一つが室外にある小さな水風呂.
←室内の温湯. 韓国の通常の浴場と顔付きが似ている。
出しておく韓国人、隠す日本人
服を脱いで入湯するとお客さんが三,四人が入浴中だ。私のように噂を聞いて訪ねてきたのか、この地域の住民たちなのかは分からない。明らかなことは外国人は私一人だ。白人や黒人ではないので幸いだ。すっかり脱いだ状態で他人の視線を受けるのはどうしても落ち着かない。どこへ行こうが、行くまいが適当に人知れず見物するのが好きだからだ。内部は町内でよく見る浴場のような施設だ。思ったより広くてきれいだ。からだに良い温泉と言うが、施設の良し悪しは関係ない。 室内に大きい浴槽が一つあり、外に小さな水風呂が一つだ。からだを漬けていると、駅の中にある温泉施設であることを即座に忘れる。
←高畠駅内温泉の内部の様子
日本で温泉や浴場に行ってみれば文化的差異が感じられる。韓国では脱いだ体であまりにも堂々と歩き回るから、本意と違ってブラブラ揺れるオッチョコチョイをしばしば見かける。日本は入浴する時、基本的にタオルが二つだ。大きいのと小さいのと、大きいのは濡れたからだを拭くのに使い、小さいのはオッチョコチョイを隠す用途だ。韓国のように丸出しでは失礼になる。もちろん常にそうだというわけでもなかった。概して隠す比率が高く、何度か利用していると自然にかくすようになった。
温泉浴は思ったより時間がかかった。なんとか室内写真を撮りたくて、お客さんがいなくなるまで待たなければならなかった。目的を達成し外ヘ出て駅を見回すことにした。温泉を持つ駅だから他の見どころもある気がした。高畠駅は外観がとてもすばらしい。中世の城のような尖塔が建物の上部を飾り、駅前広場もシンプルだ。まるでテーマパークの一区画にきたような気持ちだ。ベンチに座って暖かい陽の光を受け本を読むには理想的な場所だ。
←中世の城に似た高畠駅舎
←高畠駅3階の長い通路
駅は3階建てで1階には温泉と小さなマートがあり、2階にはコインロッカーと食堂がある。ついでに3階に上がると長い通路がまっすぐにのびている。西側の出口側へ渡る通路の果てに地域特産品とこの地域にあった祭り当時の写真を展示したところに出てくる。日本は駅でその地域の特徴が分かるように整えている。ゆっくり見物して階段を降りて行けば反対側の村に越えてくることになる。静かできれいな村の入り口が非常に印象的だ。夏にこちらを訪ねれば雄壮に哭きまくるセミの声が駅構内をいっぱいに満たす。田舎旅行がくれる特別な粋だ。
文・写真 キム・ジョンチョル文化旅行者 rawdell@hanmail.net
←高畠駅庭園
原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/504060.html 訳J.S