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ティーンエージャーに広がる‘ノース・フェイス’流行、なぜ?

原文入力:2011/11/20 23:56(1689字)
イ・ジェフン記者


"成績中心社会、消費同調で慰安"
中高生ら 制服のように着用
"階級上昇の道具として認識
除け者にされないために合流"


 "先日、売場にある10代の男子学生とその母親が訪ねてきた。男子学生が47万ウォン(約35000円)のノース・フェイス ジャンパーをつかむと、母親は‘家にあるジャンバーを着てはいけない? 高すぎない?’と尋ねた。するとその男子学生は‘小さな声で言って。 乞食だと思われるじゃない。みんな着ているのに僕だけ買えないの’と答えた。結局、その母親はくしゃくしゃに折りたたまれた1万ウォン札の14枚を出し残りはカードで計算した。」最近あるインターネット サイトにノース・フェイス売り場で働いているという職員があげた経験談だ。 彼はこの文で「どう言うべきか…」として苦々しさを吐露した。

ここ数年間、中高生に‘ノース・フェイス’のような高価な登山服ブランド ジャンパーが‘同年代文化’になった。一部の学校では1クラスの学生の半分ほどが‘ノース’(ノース・フェイス ジャンパーの略語)を着て登校するほどだ。ソウルのある高校教師は「ノースは制服とも言われている」として「保温機能のために着ていると見るには数があまりに多いし、着る季節も不問」と話した。


なぜ唯一ノースなのであろうか? 学生たちに一着40万~50万ウォンもするノースは一種の階級上昇感のための道具となっている。京畿道(キョンギド)の○高1年キム・某(15)さんは「クラスの友達37人の内、自分を含めて15人がノースを着ている」として「ブランドでないジャンバーを着た子供たちを見ればみすぼらしく見える」と話した。ソウルのD高1年チェ・某(16)君は「クラスでノースを着ていない子供は5人もいない」として「普通、成績など自分に不足したものが多いと感じる子供たちが高いノースを着ているが、‘俺もお前らにヒケはとらない’と見せることにより‘身分上昇’を感じようとしているようだ」と話した。シン・グァンヨン中央(チュンアン)大教授(社会学)は 「多数の学生たちはいわゆる名門大へ行くことは難しいので、成績中心社会で不安感と挫折感を感じている」として「この時、学生たちは同じ年頃の集団多数が消費している高価な製品を‘同調消費’することにより‘自分も主流に含まれるかもしれない’と自らを慰める」と話した。


除け者にされないようにノースを買い求めたりもする。ソウルのD高1年イ・某(16)君は「学校で除け者にされている子供がいて、ある日突然ノースを着てきた」として「その友人は‘自分もノースを着て主流集団に属したい’と話した」と伝えた。チョン・ヒジュン東亜(トンア)大教授(社会体育学)は「1980~90年代の‘ナイキ’や‘ジョーダッシュ’ジーンズ熱風が漠然と‘外国製’に対する憧憬と誇示欲にともなう消費だとすれば、最近のノース流行は落伍しないため、あるいは除け者にされないための切迫した消費という差異がある」と話した。


実際、成績最上位圏の生徒たちはノースに対する選好度が低かった。ソウルのある自律型私立高で成績最上位圏の生徒たちが集まる時事討論クラス生徒6人に尋ねたところ、ノースを持っているという生徒は1人だけだった。 これらの生徒たちは‘成績ストレス’を癒すために試験が終る度に楽器や運動用品を買うと話した。 チョ・サンシク東国(トングク)大教授(教育学)は「名品が大衆的に一般化すれば最上位層はもうその商品を名品として見ずにより高い製品を消費しながら差別化するのと似た様相」としながら「成績上位圏の生徒たちはそれに加えて、楽器や運動用品のような自己啓発のために必要な商品を消費する傾向を見せている」と解釈した。 イ・ジェフン記者 nang@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/506331.html 訳J.S