原文入力:2011/10/25 10:16(1625字)
10ヶ月になれば再契約、23ヶ月になれば解雇…
←24日ソウル市、九老区の保健所訪問看護師チェ・某氏が九老洞キム・ジェソンおじいさんの家を訪問し血圧を測っている。 チェ・ウリ記者
脆弱階層を訪ねて健康管理
地方自治体ら 予算を口実に
退職金・正規職転換に知らずフリ
"雇用不安にいつも苦しめられ"
"親しくなる頃には離別"
看護師も患者も不満
"朝ごはん召し上がりませんでしたか? 血糖が低いです。 はやく食事をして下さい。"
24日午前、ソウル、九老区のある多世帯住宅を訪ねた看護師チェ・某(48)氏がキム・ジェソン(87)おじいさんに優しく話しかけた。キムおじいさんは6年間にわたり大腸癌と肺癌の治療を受けている。チェ氏は1週間に1度、基礎生活受給者であるキムおじいさんの家を訪ね血圧と血糖を測り運動と献立管理を助けている。
キムおじいさんが「実の娘のようだ」と精一杯に持ち上げたチェ氏は‘オーダーメード型訪問健康管理事業’を行う九老区保健所に雇用された訪問看護師だ。 2007年から保健福祉部が始めたオーダーメード型訪問健康管理事業を通じて、キムおじいさんのような基礎生活受給者や次上位階層、多文化家庭、障害者などが訪問型医療サービスの恩恵を受けられることになった。 全国的に2500人余りの看護師が1人当り年間約400世帯、一日6~7世帯を訪問看護している。
しかしチェ氏は12月からはキムおじいさんを世話することはできない。九老区と結んだ10ヶ月の勤労契約が終わるためだ。 チェ氏の雇い主である九老区庁は昨年2月から12月までチェ氏を雇用し、今年1~2月は失業給与を受け取り休むようにした。休む期間を含めて仕事を始めて23ヶ月になる12月9日になれば雇用契約が完全に終わりチェ氏は他の仕事場を探さなければならない。
進歩新党ソウル市党の資料を見れば、一部看護師を無期契約職として雇用している中区(チュング)と、事業自体を外部機関に委託している江南区(カンナムグ)・松坡区(ソンパグ)を除く大部分のソウル市区庁は270人余りの看護師を10ヶ月単位で契約したり、総勤労期間が23ヶ月を越えないように契約している。
こういう変則的勤労契約は区庁が予算不足を言い訳にして看護師の連続・長期雇用を回避しているためだ。 区庁は勤労期間が1年になれば退職金が発生し、2年を満たせば正規職として採用しなければならないと見ている。
九老区保健所関係者は「予算が国費・市費・区費で策定されるが退職金を払うには予算が足りない」として「区議会監査で指摘を受け来年予算には退職金を含めて予算を申請した状態だが、採用期間が23ヶ月を越すことは難しいだろう」と話した。
こういう‘バッタ式雇用’に対して看護師とサービスを受ける当事者共に不満を吐露している。 チェ氏は「雇用が不安なことも問題だが、10ヶ月間で親しくなった方々から離れなければならないということも心が痛い」と残念がった。
区庁の短期雇用方針のために5年間に4人の看護師を経たキムおじいさんも「毎年1~2月になれば天気が寒くなり、からだも一層痛むのに看護師がいなくて困る」と話した。
これに対してカン・サング進歩新党党員協議会委員長は「民主党が2015年までに非正規職を現在の30%水準に減らすと言っているが、民主党所属区庁長らも公共部門非正規職を減らすつもりがなくなっている」として「政府だけでなく民主党も現場で実感できるように公共部門非正規職の正規職化対策を施行しなければならない」と話した。
パク・テウ、チェ・ウリ記者 ehot@hani.co.kr
原文: 訳J.S