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米軍性暴行に 韓-日 これほど違うとは

原文入力:2011/10/04 18:23(2100字)
クォン・オソン記者


日本 沖縄 1995年 12才女子中学生性暴行事件
米大統領が謝罪し、犯罪者を日本警察へ引渡し合意
"緩んだ意識も一役…米軍通行禁止解除で誰にでも起きうる問題"


←9月30日ソウル、光化門(クァンファムン)、米国大使館入り口で全国女性連帯主催で開かれた‘10代女子学生性暴行駐韓米軍 即刻拘束要求記者会見’で参加者が夜間通行禁止の復活をはじめとする駐屯軍地位協定改正を要求し手立て札を持っている。 キム・ポンギュ記者 bong9@hani.co.kr


 米軍による性暴行事件は米軍が駐留している世界中の基地周辺で続いている問題だ。しかし、それに対する反応は国により大きく異なる様相を見せている。今回の‘東豆川(トンドゥチョン)女子学生性暴行事件’と日本、沖縄で起きた米海兵女子生徒集団性暴行事件は社会的反響と対応で格差が大きい。

 1995年日本、沖縄駐留米海兵3人が12才の女子中学生に性暴行する事件が起きた。沖縄住民たちの怒りが沸き立った。日本各地の地方議会は米軍基地協定改正、基地使用面積縮小などを提起した。8万5千人余りの沖縄住民たちが県民集会を開き基地の撤去を要求した。日本各地でも反米集会が続いた。結局ビル・クリントン当時米国大統領が出てきて謝罪をし重大犯罪を犯した米軍被疑者を起訴前に日本警察に引き渡すという内容の米・日合意が導出された。


 反面、2011年 韓国では18才の未成年者が自身が暮らしている考試院でテレビを見ていたときに米軍によって性暴行される事件が発生したが、それに対する反応は天と地の差がある。事件が発生した4日後の先月28日に遅れて知らされ、これに対して言及した国内政治家はごく少数に過ぎなかった。犯行を犯した米軍が行った猟奇的行為に対する公憤と地域市民団体の小規模糾弾集会はあったが大衆的行動は見当たらない。


 キム・ソンドン民主労働党議員は4日<ハンギョレ>と行った電話通話で「(日本と韓国の)両事件の様相は大きく違わないが、対処の方式は大きく違う」と指摘した。キム議員は「国民、特に女性と子供のような弱者の安全を保障するのは国家の核心的義務」として「沖縄の場合、地域政治家たちが乗り出し積極的に問題提起をしながら8万人余りの住民たちの参加を引き出したが、我が国では政府と政党が解決に積極的に立ち向かう姿を見せなかった」と指摘した。


 反復される米軍の性犯罪被害に緩んだ意識も一役買った。パクチョン・ギョンス駐韓米軍犯罪根絶運動本部事務局長は「過去に大きな事件が続いた結果、米軍による犯罪を過度に当然のこととして受け入れているのではないかと憂慮する」と話した。


←駐韓米軍数と米軍犯罪発生件数 比較


 反面、米軍犯罪は昨年解除された駐韓米軍夜間通行禁止の余波で目立って増えている。駐留中の駐韓米軍人は減っているにもかかわらず、昨年の犯罪件数は316件で前年度の258件に比べて跳ね上がった。2006年から着実に増加している数値だ。


 米軍犯罪を‘基地村’だけの問題と見る認識も問題だ。パクチョン事務局長は 「東豆川では基地移転を控え問題地域という認識を拭おうとして、このような事件を隠す動きがある」と話した。彼は「夜間通行禁止解除に伴い米軍犯罪は特定地域ではなくソウル全域に拡大した」として「市民が‘ヨソの町内’の問題と眺める認識も変える必要がある」と指摘した。


 解決の核心は不公平な韓米駐屯軍地位協定(ソファ・SOFA)の改正にある。民主社会のための弁護士会(民弁)米軍問題研究委員会所属チャン・ギョンウク弁護士は「米軍の拘禁と関連して現行SOFAは条件を制限する規定を設けている」として「これは普遍的な刑事法構造に全くそぐわないもので、特別な根拠なしに米軍被疑者に過度な特典を与える規定」と話した。現行SOFA規定は起訴前は殺人・強姦事件の現行犯に対してのみ韓国が拘禁権を行使できるようにしている。また、韓国側検察の控訴も禁じている。


 キム・ソンドン議員は「米軍に過度に寛大な現行規定が米軍にとっても‘捕まらなければ良い’という誤った認識を与えている」として「韓国の刑事裁判管轄権を大幅に強化してこそ米軍基地周辺の犯罪を減らすことができる」と話した。一線警察はこのような現行規定のために性暴行のような凶悪事件が発生しても不拘束捜査をあらかじめ予断しているのではないかという指摘を受けてきた。

 キム議員は「女子学生性暴行のような天人共怒する犯罪に対しては左右与野を離れて国民が一致協力し沖縄事件の時と同じようにオバマ大統領の謝罪を受けるなど実効的な変化を引き出さなければならない」と話した。


 クォン・オソン記者 sage5th@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/499193.html 訳J.S