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グレッグ "トンキン湾事件 連想…合調団報告書 全て公開すべき"

原文入力:2010-09-03午後09:51:43(1677字)
<ハンギョレ>インタビューで "ロシアの天安艦調査活動 韓国が妨害"
"当時の状況から見る時、北韓が攻撃したということは理解できない"

クォン・テホ記者

←ドナルド・グレッグ前駐韓米国大使

去る1日<インターナショナル ヘラルド トリビューン>寄稿を通じて、ロシア政府が李明博政府との関係を考慮し自らの調査結果を発表しなかったと明らかにしたドナルド・グレッグ前駐韓米国大使(現コリアソサエティー会長・83)は2日(現地時間)<ハンギョレ>と行った電話インタビューで天安艦事件がベトナム戦戦争拡大の契機となった‘第2のトンキン湾事件’になることを憂慮した。グレッグ前大使は「韓国政府は報告書内容を完全に公開せず客観性が立証されなかった」と指摘した。以下はグレッグ前大使との一問一答。

‐ロシア調査団が(魚雷攻撃ではなく機雷爆発によったという)結論を下した根拠は?

 "ロシア調査団の結論は暫定的である。彼らは合調団の調査結果に接近できなかったし、それを土台にした仮想実験もできなかった。"

-それではロシア調査団の結論は不確かなのではないか? それでも機雷という判断はどのように出てきたのか?

 "(合調団発表によれば)天安艦は魚雷の発射により発生したバブルジェットによって一瞬にして真っ二つとなり沈没した。北韓事情をよく知っているロシアは、北韓にはこういう水準の高性能武器製作能力がなく、保有してもいないと判断した。"

‐ロシア調査団は調査過程で韓国政府の助けを受けられなかったのか?

 "ロシアは望んだ資料に接近できなかったし、実験も許されず調査を進行できなかった。中国調査団が韓国に行かないのもこのためだ。"

-一部韓国政府関係者たちは、中国が天安艦調査をしない理由について非公式な席で‘真実を知ることを望まないため’と話している。

 "今週、2人の中国高位級関係者からこういう話を聞いた。‘ロシア側から韓国に行っても何の情報も得ることができないので調査チームをソウルに送る必要もないという忠告を聞いた’と。中国は助言に従った。"

-あなたも天安艦沈没原因が北韓の攻撃ではなく事故だと考えるか?

 "分からない。ただし、当時 北韓は3次南北首脳会談を提案していたし、北韓-米国対話を推進中であり、金大中前大統領夫人イ・ヒホ氏の平壌訪問を招請した状態であった。その状況で天安艦沈没ですべての状況を自らひっくり返すということは理解できない。"

-合調団報告書を信頼しないのか?

 "韓国政府は報告書内容を完全に公開していない。それで客観性が立証されなかった。私が恐れるのは(韓国政府が)‘合調団報告書は機密だ。我々はそれをいうことはできない’という方式で自身を防御することだ。その場合、真実は我々を巧妙に避けて通る。ベトナム戦争拡大の契機となった1964年のトンキン湾事件を連想させる。韓国政府は合調団報告書のすべての内容を皆に公開し、天安艦の沈没原因を誰でも正確に分かるようにしなければならない。" (トンキン湾事件はトンキン湾で作戦遂行中の米駆逐艦が北ベトナムから魚雷攻撃を受けたという主張で、米国の本格的なベトナム戦介入契機となった。後日、ベトナム戦介入のための米国のでっち上げであったことが明らかになった。)

グレッグ前大使は去る73~75年、米国中央情報局(CIA)韓国支部総責任者として韓国と縁を結んだ後、89~93年に駐韓米大使を務めた。グレッグ前大使は金大中前大統領の73年拉致事件、80年の新軍部による死刑宣告当時、2回も米政府を通じた救命運動を行うなど、金前大統領と格別の縁を結んだ。

ワシントン/クォン・テホ特派員 ho@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/438146.html 訳J.S