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AI活用で新規採用の扉が徐々に閉まる…狭き門痛感させられる新入社員ら(1)

登録:2026-04-08 09:40 修正:2026-04-08 10:31
【AI時代、脅かされる市民権】 
浸食される労働権 
 
生成AIが新入社員に置き換わり 
報告書の検討や文書作成などの業務を遂行 
現場部門は「むしろ課長クラスの採用を」
現代自動車グループのヒューマノイドロボット「アトラス」が自動車部品を搬送するデモンストレーションを行っている= 現代自動車グループのニュースルーム提供//ハンギョレ新聞社

 新卒3年めのソフトウェア開発者のAさんは最近、韓国のIT大手企業へ転職した。Aさんは「2023年に初めて就職したときはコーディングの完成度が重視されていたが、最近は人工知能(AI)を活用し、実際コーディングしなくてもよい人を優遇するようになった」と、現場の雰囲気が大きく変わったことを伝えた。社員たちの間では「AIを使って生産性を向上させなければ、人事評価で悪い評価を受ける」とささやかれている。Aさんも業務の約95%でAIを活用している。2022年には新規採用規模(新卒+中途採用)が子会社まで含めて600人に達していたが、2024年には259人に大幅に減少した。このような背景には、AIがかなりの影響を及ぼしていると、Aさんは確信している。30代前半のAさんは、チームメンバー10人の中で最年少。この会社に限ったことではない。ソフトウェア政策研究所によると、ソフトウェア開発者全体のうち経歴3年未満のジュニア開発者が占める割合は、2022年の26.9%から2024年には20.7%に減少した。唯一その比率が減少した層だった。

 2022年末にチャットGPT(ChatGPT)が公開されたことを機に、日常に浸透した生成AIが「静かなリストラ」を引き起こしている。企業が中途採用を好む傾向が強くなる中で、AIが新規採用を減らす主な要因の一つとされている。AIに端を発した雇用不安は、若年層をはじめとする労働市場の脆弱層にとって現実のものとなっている。

 5日、ハンギョレが入手した韓国労働研究院の報告書「AIと労働の共存」によると、昨年11月に事務・管理職の労働者500人を対象に実施したアンケート調査で、全回答者の58%が今後10年以内にAIによる失業を懸念していた。特に、若手の実務者(36.4%)は部長クラス以上の管理者(25.5%)よりも10ポイント以上高い不安を抱えていた。年齢別でも20代(35.2%)が50代(27.3%)より懸念が大きかった。

 まだ労働市場に参入できていない、あるいは若手で経験が浅い若者たちの実感は確かに違っていた。大学卒業を控え就職活動中の23歳(経済学専攻)のBさんは、昨年ファッション・化粧品を製造するスタートアップ企業で、インターン(調査補助)として働いた。Bさんは本格的な就職活動に入る前に、AIの威力を実感した。Bさんは「代表に市場調査を頼まれ、二日間かけてエクセルでまとめたが、有料プランの生成AIが5分でまとめた資料より劣っていた」とし、「自分で一生懸命勉強し検索して調べたものとは比べ物にならないほど良い結果が出た」と語った。代表はBさんよりもAIを信頼しているように見えた。それ以来、Bさんは悩み続けている。「AIに置き換えられるリスクの低い職業を選ぶべきだと思っているが、それが具体的に何なのかはよく分からない」

■新入社員の業務を飲み込んだAI…草稿作成・要約・リサーチなど

 AIは実際、これまで新入社員が行っていた業務のかなりの部分を代行している。韓国労働研究院の調査によると、回答者の30.2%が、かつて新入社員がキャリアの基礎を固めていた「主な訓練領域」(報告書の草案作成、要約、リサーチなど)をAIが取って代わって行っていると答えた。「AIとロボットの導入は、若手が専門家を観察し補助しながら学ぶ機会を奪い、『キャリアラダー』を崩壊させる」という分析もある。回答者たちは、AIが頻繁に使用される用途(複数回答)として、文書および報告書作成(68.8%)、知識検索(61.8%)、データ分析(46%)、報告書のレビュー(37%)、翻訳(36.6%)、会議の要約(32.8%)などを挙げた。同調査で、全体の23.4%が所属部門の採用が減少したか、減少させる計画があると回答した。

 これに関して、ある大手企業持株会社の人事部長のCさんは「我々だけでなく他のグループでも、研究業務など若手が行っていた業務を今やAIが代行している」とし、「新人社員を採用しても任せる仕事がないので、現場でもむしろ課長クラスを採用してほしいという要望が増えている」と語った。さらに「系列会社の中で営業部門を除けば、新入社員を採用したところがほとんどない」とし、「今後は新入社員は組織を維持できる程度の最小規模だけが採用されることになるだろう」と話した。

 実際、韓国銀行がここ3年間(2022年7月~2025年7月)の年齢層別の雇用増減を分析した結果、若年層の雇用は21万1千件減少し、そのうち20万8千件がAIの活動度上位50%の業種で発生した。具体的には、ChatGPTが公開されて以来、コンピュータプログラミング、システム統合・管理業、出版業、専門サービス業、情報サービス業における若年層の雇用が減少傾向に転じた。一方、同期間に50代の雇用は20万9千件増加し、そのうち14万6千件はAIの活用度が高い業種で増えた。韓国銀行は「若年層はAIに置き換えられやすい定型的な業務を主に担当している一方、経験を積んだ管理者クラスは業務の文脈理解や組織管理など、現時点ではAIが代行困難な知識や技術に強みを持っているからだ」と分析した。

(2に続く)

ナム・ジヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1252777.html韓国語原文入力:2026-04-06 16:38
訳H.J

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