女性家族部のウォン・ミンギョン長官は30日、性平等家族部への名称変更と組織改編の確定後、最初の日程として、日本軍「慰安婦」被害者のイ・ヨンスさんと対面した。女性家族部長官候補として臨んだ聴聞会での答弁で、ウォン氏は「長官になったら慰安婦被害女性をまず最初に訪ねたい」と表明していた。
女性家族部はこの日、ウォン長官が政府ソウル庁舎で日本軍「慰安婦」被害者のイさんと対面して歓談したことを発表した。この日の対面は非公開で行われた。ウォン長官は候補時代の9月2日に国会に提出した人事聴聞会の書面質疑に対する答弁書で、「長官に任命されたら真っ先に訪問する現場」について、「日本軍『慰安婦』被害女性を訪ねてお話をお聞きしたい」と述べていた。実際には、最初の行動として11日に中央デジタル性犯罪被害者支援センターを訪ねているが、「慰安婦」問題に対する解決の意志を明らかにしたものと分析される。
9月3日に行われた女性家族部長官候補の国会聴聞会でも、このことに関する質問が出た。国会女性家族委員会の委員を務める与党「共に民主党」のパク・ホンベ議員が「寄付金の納付内訳を見ると、日本軍『慰安婦』被害女性の支援団体への寄付金もある」と質問。ウォン長官は「はい」と答えてから、「かつて、映画『ナヌムの家』を見て日本軍『慰安婦』問題に初めて接して以来、私たちは必ずこの事件の実状を明らかにし、二度とこのようなことが起きないようにしなければならないという趣旨に積極的に共感」してきたとして、「日本軍『慰安婦』問題に関する学術研究やフォーラムに積極的に参加して認識を高めてきた」と語った。『ナヌムの家』(原題:『低い声―アジアで女性として生きるということ』)は日本軍「慰安婦」被害女性を描いたドキュメンタリー映画で、1995年に公開された。
聴聞会でパク議員が「外国のユーチューバーらが日本軍『慰安婦』と平和の少女像についての歪曲された認識を流布しても、女性家族部は対応しなかった」と指摘すると、ウォン候補は「ご指摘は非常にもっともで、これからはじっと手をこまねいてはいないつもり」だとして、「被害女性が困難な中でなさった証言が、現在とこれからの時代に対する貢献が忘れられることのないよう、より積極的にコミュニケーションを取っていく」と答えた。
ウォン長官は候補時代、日本軍「慰安婦」被害女性の犠牲と涙が歴史的記録として保存されるよう、記念事業を推進することも表明している。日本軍「慰安婦」被害者で女性人権活動家のイ・ヨンスさんは、「慰安婦メモリアルデー」の前日の8月13日の水曜集会に参加するなど、生存者として活動を続けている。現在、女性家族部に登録されている日本軍「慰安婦」の生存被害者は6人。