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中国、韓米首脳会談に「けん制球」…「韓国、戦略的自主性を備えるべき」

登録:2025-08-26 06:58 修正:2025-08-26 07:51
韓中国交正常化33周年-韓米首脳会談-中国戦勝節記念軍事パレードの政治学
李在明大統領の中国特使団の団長であるパク・ビョンソク元国会議長が24日、北京釣魚台国賓館で王毅外交部長兼党中央政治局委員と握手している=中国外務省ホームページより//ハンギョレ新聞社

 中国は韓中国交正常化33周年を迎え韓国特使団を受け入れ、官営メディアを通じて「韓国の戦略的自由」を強調した。25日(現地時間)に開かれる李在明(イ・ジェミョン)大統領とドナルド・トランプ米大統領の韓米首脳会談を意識してけん制に乗り出したのだ。中国は韓中「国交正常化の初心」を強調し、9月3日の「中国反ファシスト戦争勝利(戦勝節)80周年記念軍事パレード」で、韓国が中国と歴史認識を共有していると主張する一方、韓国が韓米同盟の現代化など米国の要求に応えることを警戒している。

 中国の王毅外交部長(外相)兼党中央政治局委員は、国交正常化33周年の24日、パク・ビョンソク元国会議長を団長とする李在明大統領の中国特使団を北京の釣魚台国賓館で迎えた。中国側は、当初25日午前に予定していた特使団と王部長の会談を前日に急きょ1日繰り上げると通知した。習近平国家主席が特使団に会わないと大統領室が発表したことで、韓国「パッシング」だとの波紋が広がったことを受け、国交正常化記念日の夕食会で挽回を図ったという見方もある。特使団は、習近平主席に送る李在明大統領の親書を王外相に渡した。

 面会の結果に関する両者の発表文を見ると、焦点が微妙に異なる。パク元議長ら特使団は「韓国の新政権は韓米同盟を持続的に発展させていく中で、国益と実用に基づいて『韓中戦略的協力パートナーシップ』の成熟した発展を進める」と述べた。韓米同盟を中心に、韓中関係にも配慮する外交を展開せざるを得ないという方針を示したのだ。

 李在明大統領も24日(現地時間)、ワシントンに向かう機内記者懇談会で、「韓米日の安全保障、経済協力は当然重要だ。だからといって中国と絶縁するのか」とし、「(中国と)絶縁しないことを親中だと言うなら、そのような意味の親中なら、進めなければならない」と述べた。

 一方、中国外務省は、王毅外相が「今年は中国人民抗日戦争と世界反ファシスト戦争勝利80周年であり、朝鮮半島の光復80周年」であるとしたうえで、「第二次世界大戦の勝利の成果と、国際的公正・正義を共に守っていきたい」という旨を伝えたと発表した。韓国と中国が第二次世界大戦で日本に対抗して戦った「抗日の記憶」を呼び起こすと共に、韓米日協力などに警戒を示したのだ。王毅外相はまた、「韓中両国は国際自由貿易体制を共に守り、保護貿易主義に反対しなければならず、多国間主義の理念を実践しなければならない」とも述べた。韓国がトランプ大統領の関税政策などに一方的に引きずられてはならないという考えを明らかにしたのだ。

 中国外交部はまた、パク・ビョンソク特使が「韓国の新政権は中国との関係発展を非常に重視している」と述べたことを強調した。さらに「韓国は終始一貫して『一つの中国』の立場を尊重してきており、中国など主要大国との関係を並行的に発展させ、地域の平和と安定、繁栄を共に守っていくことを望んでいると(パク特使が)語った」と伝えた。25日の韓米首脳会談で、米国が「韓米同盟の現代化」を強く要求し、台湾有事の際の在韓米軍の役割などが扱われる可能性があるとみられる中で、韓国側に向けて国交正常化当時に明らかにした「一つの中国」の立場を維持し、米国だけでなく中国との関係も考慮すべきというメッセージを伝えたのだ。

 中国官営メディアの「環球時報」と英語版「グローバルタイムズ」も25日、「国交正常化の初心にかえってこそ、韓中関係は安定的に遠くまで進むことができる」という見出しの社説を載せ、「韓国が戦略的自主性を備えてこそ、中国を含む国際社会の真の尊重を受けることができる」と主張した。韓国が米国の立場に無条件に同調するのではなく、「戦略的自律性」を持って韓中関係を考慮しなければならないという要求だ。

 同社説は、「ここ数年間、韓中関係は国交正常化以降、見たことのないほど悪化した」とし、「前任の尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権時代に、韓国の外交政策は明確に変わり、(北東アジア)地域の業務と中国の核心利益と関連した敏感な問題などで、前任(文在寅)政権と異なる立場を取った」と指摘した。さらに「一部の政客が盲目的に域外勢力の陣営対決に呼応し、さらに韓中関係を犠牲にする見返りとして戦略的機会主義を図った」が、「新政権が発足してからは、数回にわたり対中国関係を重視するという積極的な態度を表明した」として、李在明政権に対する期待を明らかにした。さらに、「韓中関係は第3国を狙っていないと同時に、第3国の制約を受けてもならない」とし、「韓国が戦略的自主性を備えてこそ、中国を含む国際社会の真の尊重を受けることができる」と主張した。「域外勢力」、「第3国の制約」は米国を指したもので、韓国が米国の中国けん制要求をそのまま受け入れてはならないという主張だ。

 社説は特に、上海臨時政府など日本軍国主義に対抗した「歴史的記憶と戦略的利益」に触れたうえで、「近代以来、中華民族と朝鮮半島の人民は日本軍国主義侵略に対抗した闘争の中で苦楽を共にする深い友情を築き上げてきた」と強調した。中国が第二次大戦での抗日戦争勝利を記念し9月3日に開かれる軍事パレードを大々的に準備している中で、韓国と中国が「抗日の歴史」を共有しているという宣伝に力を入れているかたちだ。中国は当初、9月3日の軍事パレードに李在明大統領を招待したが、韓国政府はウ・ウォンシク国会議長を代わりに派遣する方針だ。

パク・ミンヒ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1215042.html韓国語原文入力:2025-08-25 21:47
訳H.J

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