6月3日に行われる早期大統領選挙の公式選挙運動期間がはじまった12日、最大野党「共に民主党」のイ・ジェミョン候補の配偶者キム・ヘギョン氏が、公職選挙法違反事件の控訴審でも罰金150万ウォン(約15万7000円)を言い渡された。
この日午後、水原(スウォン)高裁刑事3部(キム・ジョンギ裁判長)の審理で行われたキム氏の公職選挙法違反容疑の控訴審で、同高裁は原審の150万ウォンの罰金刑を支持し、検察とキム氏の控訴をいずれも棄却した。
キム氏は2021年8月2日、ソウルのある飲食店で、民主党の前・現職の国会議員の配偶者3人、自身の運転手や随行員ら計6人に、京畿道の法人所有のクレジットカード(法人カード)で10万4000ウォン(約1万円)相当の食事代を提供した容疑(寄付行為)で起訴された。この事件は、京畿道知事だったイ候補が同党の大統領候補を選ぶ予備選挙に出馬していた中、キム氏が京畿道の特別職公務員のP氏を通じて飲食代を京畿道の法人カードで決済することに関与したかどうかがカギとなる。キム氏側は法廷で、P氏と相談したり指示を下したりはしておらず、無罪だと一貫して主張してきた。
同高裁は「(事件前後の)京畿道の法人カードによる決済過程に照らすと、P氏と被告人が食事会より前に複数回電話していたこと、携帯電話の基地局の通信記録上、P氏と被告人の動線が一致したことなど、P氏が被告人に随行し、食事会の食事代を決済したと判断される」と述べた。続けて「P氏が被告人の私的業務を処理、遂行した内容、法人カード使用の経緯、被告人が参加した会の性格などを総合すると、P氏が被告人の黙認または容認なしに単独で食事代を決済したとは考えがたい」と述べた。
また、被告人側の控訴理由の一つである公訴時効の中止にともなう検察の起訴権乱用の主張に対しても、「候補の配偶者と第三者が共謀して候補のために寄付行為をしたとすれば、各々が寄付行為の主体だと評価されうる。検事がP氏と2年の時差を置いて被告人を分離起訴したことは、起訴権の乱用に当たるとは言えず、共犯関係が認められる以上、P氏の起訴による時効停止の効力は被告人にも当てはまる」と判断した。
判決後、キム氏の弁護人のキム・チルジュン弁護士は、「またも一審と同じように残念な判決が繰り返された。直接的な証拠がない状態で一部の事実だけを選択し、それによって間接事実を推定し、それを根拠に起訴事実を推定する、このようなやり方の判断は罪刑法定主義に合致しない。上告審で判断を改めて受けるべきではないかと思う」と述べた。
検察は控訴審でも、一審と同様に罰金300万ウォンを求刑していた。