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50歳以前の糖尿病、認知症リスク最大3倍

登録:2024-11-30 09:22 修正:2024-11-30 10:23
肥満を伴うケースが最も危険
糖尿病と診断された時期が若いほど認知症のリスクが高いことが分かった=ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 2型糖尿病は、かつては45歳を過ぎてから主に発症する疾患として知られていたが、最近は若い成人層でも発症率が高まっている。50歳以前に糖尿病と診断された人は、認知症のリスクが非常に高いとする研究結果が報告された。

 米ニューヨーク大学ローリーマイヤーズ看護学部の研究チームは、2型糖尿病と認知症との関係を調べた研究を先日発表した。研究によると、50歳以前に2型糖尿病と診断された人は、認知症の発症リスクが70歳以降に診断された人の約1.9倍だった。

 研究チームは、ミシガン大学がおこなった「健康とリタイアの研究」のデータを分析し、50歳以上の2型糖尿病の約1200人の患者を調べた。調査対象者は全員が認知症の診断履歴がないことが確認された。研究チームは、2型糖尿病の診断時期を基準として50歳以前、50~59歳、60~69歳、70歳以上とグループ分けし、認知症の発症リスクを追跡した。その結果、診断時期が若いほど認知症の発症リスクが高かった。50歳以前に診断された人の場合、認知症のリスクは1.9倍で、50~59歳は1.72倍、60~69歳は1.7倍だった。

 研究チームは、このような結果は、若くして診断された糖尿病の患者は長期にわたって血糖の調節に困難をきたすとともに、心血管疾患などの合併症のリスクも高いせいだと分析した。研究チームは、肥満が2型糖尿病と認知症との関係をさらに強めると説明した。

 肥満で、かつ50歳以前に糖尿病と診断された患者は、認知症のリスクが3倍以上あった。研究の筆頭著者のシャン・チー博士は米国の健康専門メディア「メディカル・ニュース・トゥデイ」とのインタビューで、「若い糖尿病患者、特に肥満を伴う人の場合は、認知の健康管理により大きな注意を払うべきだ」と警告した。研究責任者のベイ・ウー博士は「私たちの研究は、認知症のリスク要因であることが明らかになった早期の糖尿病と肥満が修正可能な要素であるという点で、重要な意義を持つ」として、「医療陣も患者も、適切な予防措置を取ることによって認知症のリスクを軽減することができる」と強調した。

ユン・ウンスク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/hanihealth/medical/1170022.html韓国語原文入力:2024-11-30 08:00
訳D.K

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