共に民主党など韓国の野党は、「被疑者」として文在寅(ムン・ジェイン)前大統領を狙った検察の捜査が「稚拙な政治的報復」だとし、党レベルの強力な対応を予告した。民主党のイ・ジェミョン代表は8日、文前大統領を表敬訪問し、党では検察の広範囲な捜査に対応するための対策機構を立ち上げることにした。
民主党のパク・チャンデ院内代表は2日午前、国会で開かれた最高委員会議で、「最大野党代表に対する無理な捜査と起訴を通り越して、ついに文前大統領に狙いを定めている」とし、「尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権の政治的報復捜査は度を越している」と述べた。
パク院内代表は「(大統領夫人の)キム・ゴンヒ女史の場合は、携帯電話まで返却し異例の出張取り調べを行った検察が、野党関係者と文前大統領に対しては法の下の平等を主張している」とし、「国民を愚弄する検察と政権には必ず国民の審判が下されるだろう」と付け加えた。
チョン・ヒョンヒ最高委員も「国民の怒りの矛先を変え、政府の無能さを覆い隠すための局面転換用戦略は結局、野党の文前大統領に対する報復捜査ではないか」とし、「文前大統領と家族に恥をかかせ、野党を殺す政治的報復捜査で、尹錫悦政権の支持率低迷の局面を転換できると思うなら大誤算だ」と語った。
民主党と祖国革新党側では、文前大統領の娘の元夫であるS氏の「タイ・イースター航空不正採用疑惑」を捜査していた検察が文前大統領を収賄容疑の「被疑者」と直接名指ししたことについて、「第二の『あぜ時計』(故盧武鉉元大統領が検察の取り調べで、夫人がもらった時計を田んぼに捨てたと供述したことに由来)攻勢が始まるという予告」(チョ・グク革新党代表のフェイスブックへの投稿)とみている。検察が文前大統領を「検察庁前のフォトライン」に立たせることを最終目標にし、しばらくは「恥をかかせること」に力を入れると予想し、警戒しているのだ。
文在寅政権時代に大統領府国政状況室長を務めたユン・ゴニョン議員は同日、ハンギョレとの電話インタビューで、「盧武鉉元大統領の時のように、検察が数カ月にわたり(捜査)内容をリークし、マスコミを通じて世論操作をすることで、文前大統領に恥をかかせ、侮辱するだろう」とし、「今もすでにそうしているのではないか」と述べた。
親文在寅派のある議員は「5月に民情首席室が復活し、検察が大々的に戦争するかのように捜査を進めている」とし、「このようなやり方なら、死ぬ気で戦うしかない」として内部の雰囲気を伝えた。
民主党側は、今回の検察捜査が予想通り文前大統領を直接狙った捜査だという点が確実になったとみて、文前大統領と前政権関係者に対する検察の広範囲な捜査に対応する対策機構を立ち上げることにした。チョ・スンレ首席報道担当はこの日、取材陣らに対し「党内にある検察対応機構を拡大し、積極的に党レベルで対応することにした」と語った。
イ代表は今月8日、慶尚南道金海(キムヘ)の 峰下(ポンハ)村を訪ね、故盧武鉉元大統領夫人のクォン・ヤンスク女史に会った後、梁山(ヤンサン)の平山(ピョンサン)村で文前大統領に会う予定だ。 新型コロナウイルス感染症への感染で先送りしていた再任の挨拶のためだというが、検察捜査に関する話も交わされるものとみられる。