4日、仁川(インチョン)からモンゴルのウランバートルに向かっていた大韓航空の旅客機が乱気流に遭遇し、乗客と乗務員10人あまりが負傷した。その時の緊迫した様子を伝える文章や写真などが公開された。
同旅客機に搭乗していたキム・ヘインさん(37)はこの日、自身のブログで、「備える間もなく飛行機が急降下し、機内食がすべて飛び跳ね、飛行機の天井にジュースとソースが飛び散り、それがまた座席に落ちてきた」とし、「何よりシートベルトをしていなかった乗客が空中に跳ね上がり、本当に危険な状況だった。お客さんの1人は本当に激しく跳ね上がり、天井に頭をぶつけて通路に落ちた」と語った。
キムさんは、「私の服にもジュースがいっぱいついたが、(冷たい)ジュースだったのが幸いで、熱いコーヒーやカップラーメンが運ばれてきていたら本当に大きなやけどにつながっていたと思う」とし、「カップラーメンの提供が中止された理由を理解した」と付け加えた。大韓航空は機内でのカップラーメンのスープによるやけど防止のため、15日から長距離路線で提供していたカップラーメンをエコノミーには提供しないことを決めている。
キムさんが5日にハンギョレに提供した写真と映像を見ると、事故直後、乗務員たちは機内の通路に落ちた食べ物などを避けて歩きながら、乗客の安全を確認している。通路には乗客が食べていた機内食の食器やコップ、残った食べ物などが散らかっており、飲み物などは床だけでなく頭上の棚にもついている。別の乗客はX(旧ツイッター)に同事故の写真を載せ、「機内食を食べ終わるころ、飛行機が急降下したため人々が悲鳴を上げ、トレーがすべてひっくり返って大騒ぎになった」、「近ごろ乱気流が激しいと聞いていたが、本当だ」と記している。
家族と旅行中だったというあるネット市民も自身のブログで、「ジェットコースターに乗っているみたいに体が無重力の(状態になった)感じがした」、「人の前に置いてあったトレーは浮いて床にひっくり返り、子どもにもらっておいたジュースも(跳ね上がって)私の頭の上に全部こぼれた」と事故時の状況を説明している。そして「なぜ心臓まひが起きるのか分かった。今回の乱気流を経験して感じたのは、ベルト着用ランプがついた時は必ずベルトをしよう(だった)」と付け加えている。
乗客281人を乗せた大韓航空KE197便は4日午前9時30分ごろ、中国の天津空港上空を航行していたところ、高度3万4100フィート(10.4キロ)で強い乱気流に遭遇した。機体は約15秒間にわたって上下に揺れ、座席のテーブルの上に置いてあった機内食などが床に落ち、乗客と乗務員10人あまりが首、腰などの痛みを訴えた。同機は同日午前8時10分に仁川(インチョン)空港を出発し、離陸からおよそ1時間後、天津空港周辺の雷を迂回(うかい)して航行していた。
大韓航空は、負傷した乗客には機内に常備されていた消炎鎮痛薬などを提供した。同機はウランバートル空港に正常に着陸した。着陸時には乗客から拍手が起こったという。同社によると、着陸直後、待機していた医療スタッフが負傷者を診療し、病院へ搬送された乗客はおらず、全員が入国を完了したという。