本文に移動

韓国人は「ご飯が力」なのに…倉庫に積まれた米俵、下落続くコメ価格

登録:2024-07-20 10:57 修正:2024-07-21 00:21
コメ価暴落
忠清南道洪城郡の広川農協の稲の乾燥場施設に乾燥した稲数百袋が積まれている=パク・チョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 忠清南道洪城郡広川邑(ホンソングン・クァンチョンウプ)の広川農協の稲の乾燥貯蔵施設に、重さ1トンの乾燥稲の袋が数百、倉庫の天井に届くほど積み上げられている。昨年の収穫期に広川農協が買い上げた後、売れ残っているものだ。

 先月、韓国全国の農協の倉庫に積まれたコメの在庫量は66万トンで、平年より30%(15万8千トン)近く多い。産地のコメ価格は、昨年10月以降8カ月続けて下落している。政府は米1俵(80キロ)の価格が20万ウォン以下に下がらないようにすると発表したが、6月15日の時点で産地のコメ価格は1俵当たり18万7176ウォン(約2万1000円)で、昨年の収穫期(10~12月)の20万2797ウォンより1万5621ウォン下落した。

忠清南道洪城郡の広川農協の稲の乾燥場施設が、湿度76%・温度25.1度に保たれている=パク・チョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 これを受け、政府は2023年産のコメ5万トンを追加で買い入れ、農協などを通じて販売を推進し、10万トンを解消する計画だ。これに先立ち、政府は2023年11月29日と2024年2月1日にそれぞれ5万トンを追加で買い入れている。こうした努力にもかかわらず、農業現場では2021年9月のコメ価格暴落が再現するのではないかと心配している。

 政府は価格下落の原因を供給過剰と消費不振だと見ているが、農民団体は政府が需給を誤って判断したと主張している。政府は2023年にコメの在庫量は9万7千トン程度残ると予想したが、すでに15万トンを買い入れたにもかかわらず価格は下がり続けている。

昨年、忠清南道洪城郡一帯で収穫した稲=パク・チョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 野党は2021年のコメ価格暴落を契機に、コメ価格が一定水準以下に下がれば政府に買い取りを義務付けるようにする、糧穀管理法と「農水産物流通および価格安定に関する法律」(農産物価格安定法・農安法)の改正を推進している。しかし、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の再議要求権(拒否権)行使で改正案処理が滞っている状態だ。このような状況の中、7月9日の国会農林畜産食品海洋水産委員会の全体会議に出席したソン・ミリョン農林畜産食品部長官は、政府の農業政策について「10点満点中9点」と評価し、野党が推進した「糧穀管理法」と「農安法」改正に対して「農業の未来を台無しにする法案だ」と批判した。

パク・チョンシク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1149089.html韓国語原文入力:2024-07-15 10:40
訳C.M

関連記事